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まさかwebで ミステリー大賞に リベンジする日が来るなんて!  作者: ふりまじん
マラキは誘う

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動画配信者


 私はアトラスの話をしながらなんだか混乱していた。

これだけ話してもオチが見つからなかったからだ。

時間は過ぎてゆく。今年、剛と約束したこの年に出来るだけ話を終わらせたかった。

克也が私と距離を置きたくなったのも、考えると何かの因縁のような気にもなる。

 山臥はしばらく私の話を真面目に聞いて、段々酒に溺れ、そうして現在、スマホを見ていた。

この居酒屋はフリーWi-Fiが飛んでいる。山臥はスマホを安いプランで契約して、温泉とか、Wi-Fiの飛んでいるお店で日々の情報や動画を見ることにしているようだった。

 スマホのなかった時代には考えられない無言の時間を我々は楽しんでいた。

 私はホット・ウーロン茶を頼んでしばらく自分の世界を旅していた。


 なんとなく書いていた克也の話もすでに3年経過していた。何の謎も解けてないし、克也の願いも、出禁を守る以外は叶える事ができないまま終わることになりそうだった。仲間内ならそれでいい。

 でも、それで連載を読んでくれた読者が納得するはずもないし、私だって他の話との兼ね合いもある。

 ああ、そんな高度なことはともかく、おち。オチを考えないといけない。


 考える。


 滅亡ものなんだから、大体、12月19日を大袈裟に盛り上げて、19日前に終わらせたら何とか余韻が残せそうな気がした。

 そのためには、とにかく19日前に話を完結させることが大事である。

 少なくとも、それだけは死守しないと、何ともならない。


 人類が滅亡はしないと思う。

 でも、世界は問題が山積してるし、それを年末に少しみんなで思い出すって感じで話を作ろうと考える。


 どうしよう?


 夏に都市伝説があったところから話を始めることにした。

 昔、よく見た超常現象ものはそんな出だしを参考に考える。

 何でもない日常で、ほんの少しの変化。でも、それはやがて大きな厄災に変わる危険を伴っているのだ。

 少女時代は1999年、現在は2025年12月19日に当てて、その短い間、少しばかり地球の危険を思い返す。とにかくそれで何とかしよう。


 ここにきて、今年は本当に話題が多い時代だったとそう思った。

 法王の崩御

 怪しい予言

 惑星パレード

 大地震

 火球

 彗星


 こんなにあったのに、私はこのネタで作品を書くことが出来なかった。

 何か、色々と忙しかったのだ。


 それにしても、私の記憶にある予言詩。三人の王子と彗星の詩が使えたら、もう少しネタになったのに。

 私は少し悲しくなった。

 昭和の時代、田舎者の私にフランス語なんてわかるわけもなく、日本語の翻訳をまるっと信じていた。原文が書いてあっても挿絵よりどうでもいい存在だった。

 でも、21世紀になって私でもネットを使って翻訳ができるようになると、どう頑張ってもおかしい翻訳に気が付いてしまうのだ。


 出来れば、これを書き終わる前に気が気付きたくはなかった(T-T)


 でも、気が付いたんだから仕方ない。ノストラダムス抜きで何とか話をまとめよう。


 少女時代、大人になったら、私もノストラダムスの謎を解くそんな人間になりたかった事を恥ずかしく思い出していた。

 私の実家には財力もないし、私も馬鹿に分類される人間だから、クリエーティブな発表をするなんて出来ないと思っていた。でも、少女時代の愛読書ミステリー・まがじん『みぃ・ムー』の魔法関係の記述にあったように、思いがあれば何とかなるものである。

 こうして、ネットで世界に話を発信してる。

 まさか、この年でのノストラダムスの予言とか、人類滅亡の話を書く未来があったなんて、お釈迦様でもノストラダムスでもわからなかったに違いない。


 私だって、この年で黒歴史のような願いを叶えている自分に混乱するのである。まず、1番初めに親が潰す夢の類だからだ。でも、生きていれば何とかなる。これが昭和の親父の説教のテンプレだったけれど、それもまんざら嘘でないなって今は不思議な気持ちで思い返す。私がバカでも平和で社会が発展すれば、他力本願で何ヶ国語の翻訳も楽チンに出来る世の中になるてるんだもんなぁ。って、そんな事、懐かしんでる暇ないんだった。


 どうしよう?書けると言っても、田舎の地味なおばさんの元に秘密結社の偉い人も、ノストラダムスの研究家もやってくる事なんてないのだ。話初めが思い浮かばない。

 目の前の山臥は、なんか霊能力があるとか、酔っ払うと言い出すけれど(シラフの時はつまらないくらい真面目な人物なんだよな)まさか、ノストラダムスを口寄せして貰うわけにもいかないし。

 その展開は、90年代に色んな人が使っていて、みんな1999年7の月に恐怖の大王と共に消滅してしまった。消滅はしたけれど、忌み嫌われるテンプレとしてオカルトファンの記憶に刻まれた。

 使えない。


 1万字程度の気の利いた短編にまとめて、そして、克也の連載を終わらせてあげよう。

 本来、小説の活動の終わり、仲間との約束は2025年だった。誰も絡んではくれなかったけれど、克也も、もう、解放してあげなくては!


 切ない気持ちになりながら、私は何かを考えることにした。

 でも、その前に、卵焼きを頼もう。


 と、注文ボタンを押そうと思った時、静かだった山臥が私に話かけていた。

 「ねえ、見つけたよ。ほら、克也さんが言ってた動画配信の人、この人じゃないかな?」

山臥が見せてきた動画には、刺激的なテロップが波打ちながら流れていた。

配信者は男の人?のアバターで、暁血あけち凝語郎こごろう。通称ゴローという人だった。

私は衝撃と共に動画に釘付けになり、そして、生サワーと卵焼き、コーラを注文した。

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