アトラス
私は今年迷い込んだ系外彗星の説明を始めた。
物語に使う知識は、何度か説明して自分の頭に入れるようにしている。
特に、こういった訳のわからないものについては。
7月日本が都市伝説の予言にわいていた時、宇宙の彼方から流れ星が迷い禁できた。3Iアトラスである。
この名前の3とは3番目と言う意味だ。
1=オウムアムア
2=ボリソフ彗星
ときて、今年、3番目に観測できた太陽系外の彗星だから3がつくのである。Iは太陽系外の意味らしい。
本来は3I/アトラスと/がつくんだけれど、面倒だから省く人もいる。
で、名前のアトラスはアトランティスの王の名前ではない。
ここで3番目の彗星でアトラス=王と考えて、ノストラダムスの予言を思い出して短編を書こうとして、そんな事、ノストラダムスは言ってないことを知ってショックを受けたり、ま、そうやって夏は過ぎていった。
アトラスはアトランティスの王ではなく、小惑星地球追突警報システムという、なんだか特撮映画で登場しそうな名前の実在する組織が発見したのが由来である。ちなみにその組織はハワイにあるらしい。
ここで、太陽系外彗星ではなく、恒星間彗星というのが正しいらしいとスマホで検索した山臥に指摘される。
と言うことで、この彗星、とにかく早い。
1秒50km以上でぶっ飛ばすのだ。
宇宙の話はなんだか実感が湧かない単位が多いけれど、昔、二時間ドラマで地球から木星に行くのには数年かかるから、地球のヒーローは木星の戦争で戦えない、とか言われていた、その常識をコイツはぶっ飛ばして走っているのだ。私もこのニュースに「やればできるじゃん」と、一瞬、思ってしまったほど早いのである。
この彗星の話題を動画サイトで勧められ始めるのが7月の下旬くらいだったと思う。初めは英語の、そして、日本の配信者も取り上げ始める。
この彗星は、とにかく予想外の行動をとった。惑星が並ぶ黄道面を滑るように太陽系に侵入する。
これは数多の彗星の観察がされている現在でも珍しい軌道なのだそうだ。
太陽と惑星が並ぶ、レコードの面に針のように侵入してきたのだから。そして、木星、火星、金星と惑星を観察するようにアトラスは太陽に向かってゆく、その様は、まるで宇宙船のように見えると、外国の学者が言ったらしくてネットの動画が騒いだのだった。
それは私が自分の小説の内容に悩んだり、克也が富士山にロケットが着弾するとか戯言を言ったりしている間も様々に噂されていた。
今度こそ、本当に宇宙船だと動画サイトは私にささやいた。
彗星の尾が太陽に向かって伸びるとか、ガスの成分が怪しいとかそんな噂もあったけれど、私も克也の出禁問題が発生してそれどころではなかった。
そうこうしているうちに、アトラスはものすごく早く飛んでゆく。気がつくと火星に接近し、そこで伝説を作って太陽へと向かっていった。なんか、そこで終わりだと思っていたが、なんだか地球に接近する話が動画のサイトでおすすめに入ってくるようになった。
「まあ、そんなこんなで、私、アトラスの話を考えてさっさと反思を終われせようと考えようと思うんだ。」
自分に言い聞かせるように言った。




