予兆
今年はとにかく面倒な年だった。
日本が破滅するとか、地震が来るとか、そんな噂があった。
克也も富士山にミサイルが着弾するとか、噴火するとか好き勝手を言っていた。そして、奴の予言の未来の私は相変わらずデスシティで戦っていた。
8月15日には何かが起こると言われたが何もなかった。が、その後に関西で火球は観測される。
なんだか怪しげな彗星の噂がネットを騒がせていた。
そんな話をしていたら、何か、克也が心配するようなワードを踏んだ。で、克也は連絡してくるな。と、言ってきた。
『悪いが1人にしてくれないか?全ての終わりは1人でしみじみ楽しみたいほうなんでね。』
奴の最後のメールの文章に、何故か、奴の寿命を感じて返信できずにいた。
まあ、今回も外してそのうち、また、メールが来るか、図書館で会うことができるんじゃないかと、そう思っていた。
そんな時にネットで噂が出始め流のが3I/アトラスである。
「出禁?ふふ。面白い事を言うね。」
山臥は少し酔いが回っている。
「面白くなんてないわよ。もう。まあさ、私も途中で面倒くさくなって絵文字とかで返信したのも悪いんだけどね。」
私はため息をついた。毎回長文で私のデスシティの戦いを読まされる私の気持ちも察してほしい。でも、克也と連絡を取れない現在、あのおかしな文章を解読したら、あの、最難関のパニックジャンルが出来たんじゃないかと思うと少し惜しい気持ちもする。
パニックのもと言うのは、合わない人間はどうしても話が浮かばないものだったりする。ついでに、恐怖、ピンチ、それを回避。と、推理小説以上の知識と度胸が必要になるのだ。
科学考察の読者との戦いで、観客からオリーブの花冠をもらえるか、笑い物としてネットミームになるのかの戦いなのである。
「それで、どんな話をしたの?」
山臥はメニューを見ながら楽しそうに私に聞く。
「いつものデスシティものよ。今回は私の先祖も登場する大巨編だったわ。全く、世紀末も、2012年も、2015年もリアルでは平和に過ごしてるのに、奴の頭の中ではシーズン5まで戦ってるの。私。」
山臥はそれを聞いて笑っていた。私もなんだか笑いたくなってきた。そして、その資料を残しておけば良かったと後悔もした。
そして、穏やかな沈黙が流れ、私は話を切り出した。
「そして、現在、私の頭を悩ませてる問題があるの。」
そう言って、ワインをグラスで頼んだ。イルカも山臥もなにかをして貰うには餌が必要なのだ。山臥は赤ワインを指定し、すごく親身に私を見た。
ホストと話すって、こんな感じなのだろか?
ふと、そんな事を考えて、ファミレスのワインで話を聞いてくれるなんて随分安上がりなホストだなって笑いが込み上げた。
「なんだい?その問題って。」
山臥は昭和のミステリーのお約束をいう役者の様に私に聞いた。
「3I/アトラスよ。」
わざと説明はしなかった。これで理解できる人物はそれほでいないと思った。




