出禁
ああ、なんだろう、2025年はいろんなことがあった。
法王の崩御
惑星のパレード
謎の予言
ロシアの地震
謎の系外彗星
ラノベのような色んなことがあった。だから、克也とのやりとりもオカルト色が強くてそれで怒らせたのだ。
「よくわからないんだ。でも、やっぱり、少しわかるかな。私、勝也って、テレビでよく出る人気のオカルティストみたいになりたいんだって勝手に思っていたんだよ。」
私は自分に納得させるように山臥に言った。
そう、私は間違っていた。
克也は何かを調べていて、それを知ることの出来る立場が欲しいんだって思っていた。
「君は、独善的に突っ走る時があるからね。」
ふふんと、上から目線で言われるとなんだか腹が立つけれど、まあ、仕方ない。
「そうね。私はそう言うところがあるわ。でも、1人で何かを調べて発表もしないでどうするのよ?
昭和の冒険小説じゃないんだから、『このままそっとしておこう』なんて密林の王宮を見て去ってゆく冒険野郎じゃないんだからさ。」
私は運ばれてきたステーキ定食をテーブルに並べ直した。
「そこがおせっかいって言うんだよ。知識欲は内向きにだって働いていいと思うんだ。」
山臥はビールを飲みながら私の批評をする。
「悪かったわね。おせっかいで。まあ、それで克也を怒らせちゃったんだろうけれど。」
私はため息をつく。
「それで具体的に何を言われたの?」
山臥は優しかった。なんだかんだと言って相談に乗ってくれる。
「連絡をしてくるなって言われたわ。なんか、現在の連絡方法、SNSやメールの類の連絡は巨大組織に支配されてるんだって。そして監視されてるから、ヤバい事は書かないほうがいいんだって。
まあさ、管理者が怪しい情報を監視はしてるとは思うけれど、予言とか、謎の彗星や地震の話で襲ってきたりはしないでしょ?だって巨大組織って通信会社の事でしょ?もう。」
ああ、顔が渋くなる。本当に克也はどこまで本気で語ってるのか、私には分からない。
「さあ、男には色々あるから。ま、そうゆう時は少し離れるほうがいいのさ。」
山臥はそう言ってビールをうまそうに飲み干した。
「男の艶色ねぇ。」
私はそれ以上考えるのをやめようと思った。そして、これからの物語に行方に集中しようと思った。
最後のメールで克也は言った。
『悪いが1人にしてくれないか?全ての終わりは1人でしみじみ楽しみたいほうなんでね。』
長いやり取りから考えれば、これは人類滅亡の何かについて語っていたのだと思う。でも、私はその時、克也は自分の人生について語っているのではないかと思ってしまった。
そして、本当の最後のワンコールを残したいためにそのままフェイドアウトしたのだった。
8月の暑い夜のことだった。
それから、3Iアトラスの怪しげな噂がネットで流れ始めていた。




