表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/18

5話 止まらない周回と増え続けるスタミナ

「はぁっ!」


ボンッ!!


魔物が吹き飛ぶ。


【戦闘終了】

【勝利】


その瞬間。


【経験値を獲得しました】

【プレイヤーレベルが上がりました】


(お?)


レベルが上がった。


『いいね、続けるか』


ピッ。


【次の戦闘を開始します】


ガサッ。

どこからともなく新しい魔物が現れる。


「えっ……?」


リリンが固まる。


『いける、続行だ』


なんとなく意志を送る。


「は、はい……!」


――数分後。


「やぁっ!」


ボンッ!!


【戦闘終了】

【勝利】


ピッ。


【次の戦闘を開始します】


「えっ……あの……?」


『テンポいいなこれ』


サクサク進む。


倒す。

勝つ。

また出る。


完全に作業。


だが――


(なんか、調子いいな)


リリンの動きも、他の眷属の動きも、さっきよりいい気がする。


気のせいか?


……いや。


『まあいい、続ける』


ピッ。


【戦闘開始】


――数戦後。


【戦闘終了】

【勝利】

【プレイヤーレベルが上がりました】


『また上がった』


やたら上がるな。

まあ、序盤だしそんなもんか。

そのとき、ふと気になってスマホを見る。


PSプレイヤースタミナ


……141/44


『は?』


さっきまで――


たしか、35くらいじゃなかったか?


『なんで増えてる』


しかも上限超えてる。

バグか?いや、違う。

少し思い出す。


(レベルアップで……なんか増えたよな?)


つまり――


『上がるたびに、回復してる?』


しかも上限を超えて!


そういえば魔王ストリートは、レベルアップするたびに

現在のスタミナに限界値の数字がプラスされる仕様だった。


1回の戦闘でSPを5消費。

レベルアップ時に限界値が+1。


つまり、最初は1回の戦闘でレベルアップしたから

Lv2になったときのSPは76/41という具合になる。


ゲームでも最初は、スタミナを使いきるのに時間がかかったなぁ。


『……って、おいおい』


じゃあこれ。


『使わないと損じゃね?』


スタミナは5分で1回復する。

上限を超えているとスタミナ回復しない。


つまり本来もらえるはずのSPスタミナポイントを捨てている

ということだ。現在進行形で!

もったいないな。


『……周回しろってことか』


理解した瞬間。


ピッ。


【次の戦闘を開始します】


「えっ!?」


リリンの戸惑いが伝わる。


『いけるいける』


――さらに数戦。


【勝利】

【レベルアップ】


PS:160/45


『増えてる増えてる』


もう笑えてくる。


減らしてるのに、増えてる。


『終わらねえじゃんこれ』


「も、もう無理です~……!」


リリンがついにへたり込む。


(つかれた……)


『ん?』


だが――


戦闘終了と同時に、光。


体は回復する。


「……あれ?」


(なおった……?)


『いけるな』


だが感情が流れ込む。


(つかれるんですぅ……!)


『精神か』


なるほど。


仕様の穴。


『だが……』


スマホを見る。


PS:176/46


『もったいないな』


まだ回せる。


むしろ回さないと損。


『……あとちょいだけ』


ピッ。


【次の戦闘を開始します】


モンスターが現れた。


「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」


リリンの悲鳴。


『ラスト、ラスト』


※ラストじゃない


――数十戦後。


【勝利】

【レベルアップ】


PS:56/53


『やっと終わりが見えてきたな』


あともう少し。


止まる理由がない。


「も、もう……ほんとに……むりぃ……」


リリンの感情が限界に近い。


『……いや、リリンならできる!』


あとちょっと、先っぽだけ。先っぽだけ。

リリンならできると信じてるぞ!

ここで止める方が損だからな


『……あと、少し』


強めに意識を押す。


「えっ……」


(ま、まだ……?)


戸惑いが、にじむ。


『……』


言葉は続かない。


代わりに――


“まだいける”という感覚だけを流す。


「……っ」


(……むり……でも……)


少しの抵抗。


すぐに、揺れる。


『……終わる』


短く。


断定だけ。


(……ほんとに……?)


弱い不安が、返ってくる。


『……ああ』


今度は、はっきり。


“終わる”という確信を押し込む。


「……」


一瞬、止まる。


そして――


(……がんばる……)


小さく、決まる。


ピッ。


【戦闘開始】


――数戦後。


【勝利】

【レベルアップ】


PS:12/53


「はぁっ……はぁっ……!」


(つかれ……た……)


感情が、かなり薄い。


『……あと一回』


「えっ」


(……まだ……?)


ほんの少しだけ、揺れる。


だが――


『……これで終わりだ』


今度は迷いなく押す。


(……ほんとに……?)


『……終わり』


短く、断定。


「……」


(……)


一拍。


そして――


(……わかった……)


ピッ。


【戦闘開始】


――数分後。


ボンッ!!


【戦闘終了】

【勝利】


PS:0/53


『……よし』


完全に使い切った。


『終わりだ』


その瞬間――


(おわったぁぁぁぁぁ!!!)


「やすめるぅぅぅぅぅ!!」



リリンの感情が爆発する。


そのまま、一直線にこっちへ。


「なでますっ!!」


『あっ……』


止める間もなく――


すっ。

小さな手が、俺の頭に触れる。

なで……なで……


指先が、ゆっくりと毛並みをなぞる。


柔らかい。


あたたかい。


さっきまで戦っていたとは思えないくらい、優しい手つきだった。


「えへへ……」


(やっと……やすめます……)


その安堵が、そのまま流れ込んでくる。


ゴロゴロゴロ……


「にゃ~ん……」


『……っ』


勝手に声が漏れる。

喉の奥が震えて、止まらない。

くっ……!


これ、完全に猫の本能か……?

抗おうとするが――無理だ。

撫でられるたびに、力が抜けていく。


なで……なで……


「……あったかいです……」


(ねこさん……あったかい……)


『……』


その感情に、少しだけ胸がざわつく。


距離が近い。


やけに近い。


顔も、手も――


全部が近い。


『……おい』


意識するな。


余計に変になる。


だが――


なで……なで……


ゴロゴロゴロ……


『……ダメだ』


完全に力が抜ける。


『……まあ』


好きにさせてやるか。


さっきまで無理させた分だ。


それに――


『……悪くない』


むしろ、これはこれで。


『……』


少しだけ目を細める。

撫でる手の感触を、受け入れる。


『約束は守ったしな』


石を割ってスタミナ回復は、やめておくか……

やっとプロローグにつながりました。

いやプロローグは、もう少し先じゃないと辻褄が合わないな……


まあ今後も周回作業するので

似たようなシーンということで大丈夫なはず。

うん。きっと大丈夫だ。


評価ポイント、ブクマ、リアクション、感想

なんでもいいので反応もらえると作者が泣いて喜びます。


作品を書くモチベーションにも繋がりますので

何卒よろしくお願い申し上げます。

反応頂ければ更新頻度が上がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ