31話 ご褒美シーン
四日目の朝。
俺はベッドの上で目を覚まし――そして思い出していた。
昨夜の事を。
『……いや、あれは駄目だろ』
完全にご褒美シーンだった。
ゼフィーの部屋を訪れた時、彼女は既にネグリジェ姿だった。
紫を基調とした薄手の生地。
大人っぽい落ち着いたデザインなのに、妙に色気がある。
しかも本人に似合いすぎていた。
薄暗い部屋。
ランプの灯り。
甘い香り。
そして優雅に微笑むゼフィー。
雰囲気が強すぎる。
『なんなんだこの部屋……』
完全に“大人の女性の部屋”だった。
頭がくらくらする。
変な気分だ。
まるで精神攻撃を受けているみたいだった。
そんな馬鹿馬鹿しい事を考えている間にも。
俺は膝の上で撫でられていた。
「ふふ♪」
「魔王さまは撫でられるのがお好きですのね?」
「……にゃ」
駄目だった。
喉が鳴る。
ゴロゴロ音が止まらない。
猫の身体、正直すぎる。
しかもゼフィー。
撫で方が妙に上手かった。
耳の後ろ。
顎の下。
首元。
完全に急所を理解している。
『やめろ……気持ちいい……』
「肉球も柔らかいですわね♪」
ぷにぷに。
ぷにぷに。
めちゃくちゃ触られる。
最初は抵抗していた。
だが。
途中からどうでもよくなった。
猫だから。
仕方ない。
そのまま大人しく撫でられていると。
「……魔王さま」
ゼフィーが微笑む。
「わたくしばかり触っていては不公平ではなくて?」
『ん?』
「魔王さまも触ってみます?」
『……え?』
一瞬。
思考が止まった。
そして。
視線が吸い寄せられる。
『……』
大きい。
いや、本当に。
ゼフィーは「どこでも構いませんわ♪」なんて余裕そうに言っているが。
無理だろ。
そんな事を言われたら、視線はどうしてもそこへ向く。
完全に釘付けだった。
誘惑を振り払えるはずがない。
……おっぱいには勝てなかったよ。
誘惑に負けた俺は、おっぱいを触らせてもらう事にした。
『これは真剣に向き合わねば無礼というもの!』
頭の中で必死に言い訳する。
完全に理論が破綻していた。
だが。
今さら引き返せない。
しかもゼフィーは、面白そうにこちらを見ている。
絶対分かっててやってる。
『くっ……』
俺は覚悟を決める。
そして。
感触を、しっかり確かめるため――マジックハンドを発動した。
前足が淡く光る。
次の瞬間。
猫の前足が、人間の手へ変化した。
肉球ではなく、指がある。
ちゃんと掴める。
そして何より――。
触感がダイレクトに伝わる。
おっかなびっくりで、そっと触れる。
柔らかい。
『……っ』
思わず息を呑んだ。
すると。
「んっ……♪」
くすぐったかったのか。
ゼフィーから小さく声が漏れる。
その瞬間。
理性がさらに危うくなった。
『やばいだろこれ……』
しかもゼフィーは逃げない。
むしろ楽しそうにこちらを見ている。
「ふふ♪」
「どうですか?」
『どうですかじゃない』
心臓に悪い。
だが。
もう止まれなかった。
俺はそのまま、柔らかな感触を存分に堪能させてもらった。
そこから先は――正直、あまり覚えていない。
気づけば。
俺はベッドの上で眠っていた。
しかも。
ゼフィーと顔を向き合わせる体勢で。
『……』
いつの間にか、ゼフィーは目を開けていた。
そして。
ニコニコとした笑顔で、こちらを見ている。
『うっ』
胸が高鳴る。
破壊力が高い。
もうゼフィーには、かないそうにない。
「おはようございます♪」
『……お、おう』
完全にペースを握られていた。
その後。
俺はゼフィーをゆっくりと着替えさせた。
目の前で。
艶めかしい身体が少しずつ露になっていく。
今の俺は“オープンスケベ大魔王”。
逃げるという選択肢はない。
『……堂々と見させてもらおう』
開き直った。
すると。
そんな俺の視線に気づいているのか。
ゼフィーは少し楽しそうに微笑む。
「ふふ♪」
まるで、からかうように。
わざとゆっくり動いている気すらした。
絶対分かっててやってる。
何故か服を着る動作も色気を感じる。
そして。
着替えを終えた後、俺たちは大広間へ向かうのだった。
今回は少しセンシティブ寄りかもしれないので挿絵なしとなっております。
ですが皆さまの優れた想像力ならゼフィーの魅力を十分感じ取っていただけると信じています。
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