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15話 ボス撃破と止まらない周回

静寂。


さっきまでの喧騒が嘘みたいに、森が静まり返る。


『……終わったか』


外壁の上から、ゆっくりと見下ろす。


倒れたままのヴァルグ。

動かない。


周りのウルフたちも、完全に沈黙している。


「……まおーさま」


リリンが、息を整えながら振り返る。


「……かてました……」


(ほんとに……)


『ああ』


短く返す。


だが――


その視線は、ヴァルグに向いたままだ。


『……ネームド、撃破か』


その瞬間。


ヴァルグの体が、淡く光り始めた。


「……?」


リリンが首をかしげる。


だが、光は次第に強くなり――


崩れる。


霧のように、ほどけていく。


『……お?』


スマホが、ぴろんと震える。


画面に表示が浮かぶ。


――ボス撃破――

【魔晶石×100 獲得】

【ドロップ獲得】

・灰色の魔核(強化素材)


【経験値を獲得しました】

【プレイヤーレベルが上がりました】


「……にゃ?」


一瞬、固まる。


次の瞬間――


『レベルアップだとおお!!!』


完全に想定外。


スタミナ消費に来ただけのはずが――


『また回復してんのかよ……!』


思わず笑いが漏れる。


『さすがボス……経験値エグいな』


ちらりとステータスを見る。


スタミナは――


限界突破。


『……これだからやめられねぇ』


口元が、にやりと歪む。


『……よし』


『リリン、さっそく周回だ』


「……しゅう……かい?」


リリンの動きが止まる。


嫌な予感が顔に出ている。


『敵を倒しに行くんだよ』


念話を送ると――


「ええぇぇぇ!?」


素っ頓狂な声が森に響く。


「ちゃんと休んでないのに……」


「またですか!?」


(むりですぅ……!)


『効率が命だろ』


当然のように返す。


『スタミナ満タンを放置すると損だ』


「すたみな……?」


『俺の力が回復したら、使い切るまで戦うってことだ』


「そ、そんな……!」


リリンが肩を落とす。


だが――


「……が、がんばります……」


(まおーさまのため……)


『よし』


満足げに頷く。


猫の魔王。

スケベ大魔王。


そして――


終わらない周回。


『……これだよこれ』


こうして。


再び、周回地獄が始まった。

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