71.本田先輩
数日後。
本田先輩からLINEが届いた。
『今日、いつもの喫茶店に来られるか?
美咲も呼んでくれ。』
「何があったんだろう。」
「分からない。」
「おごってもらえるかなぁ。」
「「それは無い。」」
「ぶー。」
カランカランとドアが開く音がした。
顔を上げると、本田先輩がこちらを見つけ、まっすぐ歩いてくる。
「悪いな。ちょっと確認したいことがある。」
本田先輩は椅子にもたれかかる間もなく、美咲を見た。
「自操ドローンを作ったの、お前なんだって?」
「えっ、はい、えっ?」
「八尾町の中川さん、知ってるか?」
「はい、自操ドローンの依頼者の」
「黒音が調書を書いてるから知ってると思うが、中川さんから盗難届が出ていた。」
私は黙って頷いた。
「電源が切られたのか、タイムラインも途中で途絶えていた。
ところが昨日、
中川さんが確認したら、大沢野の山奥で位置情報が更新されていたらしい。
現地へ向かったところ——
女性のバラバラ遺体が見つかった。」
「えっ」
「いまのところ、なんの手がかりもないからな、何かわからないかなと思って聞きに来た」
美咲は視線を落とし、何かを思い出すように黙り込んだ。
「……もしかしたら。」
「何かわかるのか?」
「ドローンってカメラが付いてるでしょ。」
「ああ。」
「あの映像、スマホ経由でクラウドにも保存するように設定したはず。」
「クラウド?」
「通信できる場所なら、自動でアップロードされます。」
「……そうか。」
「開発時は私のクラウドになっていました、今は中川さんが設定変更しているはずです」
「分かった。クラウドのデータを確認させてもらう。」
「ちょっと待ってください、今自分のクラウドも確認するから」
美咲はスマホを取り出し、自分のクラウドへログインする。
「……うん。」
画面をスクロールしながら首を振った。
「開発中のデータしか残ってない。
納品するとき、中川さんのアカウントへ切り替えたから。」
「ありがとう、早速確認しに行く」
先輩は去って行った
喫茶店のオーナーがこちらにくる
「あら。
オーダー聞こうと思ったのに、もう帰っちゃったのね。」
「オーナー、すみません。」
「いいのよ。
忙しそうだったもの。」




