69.あれから
あれから、美咲の悪戦苦闘が始まった。
GPSと通信しない。
やっと通信したと思えば、高度計の値がおかしい。
原因を探してプログラムを書き直し、翌日もう一度飛ばす。
「……また墜ちた。」
ため息をつきながら、美咲はノートパソコンを開いた。
慣れない組込みプログラムに四苦八苦しながら、一つずつ動作を確認していく。
制御装置は驚くほど原始的だった。
ドローン本体の上に、市販の送信機をそのまま固定、そのスティックをサーボモーターで動かす。
「もっとスマートな方法があるんだろうけど……
まぁ動けば正義だ!!」
美咲はポジティブに配線をまとめた。
見た目は素人工作そのものだったが、それでも飛ぶ。
依頼主から許可をもらい、田んぼの上で何度も飛行試験を繰り返した。
指定した方向へ飛び、設定したポイントで旋回し、目的地で荷物を切り離す。
そして、来たルートを逆順にたどって離陸地点へ帰還する。
何度も失敗し、そのたびにプログラムを書き直した。
三か月かけて完成した、美咲の自信作だった。
「はい、唯です! そして、」
「プログラミングを担当した美咲です。」
「今日は依頼を受けて、依頼者さんの地元、富山県は八尾町までやって来ました!
こちらが依頼者のAさんです。顔出しNGとのことなので、お腹だけの出演になります(笑)。
こんにちは!」
「こ、こんにちは。」
「今回の依頼は、自動操縦ドローンの製作です。」
「今回は、どのような理由で自動操縦ドローンの製作を依頼したのですか?」
「あっ、ああ、私は山を持っていて、頂上まで荷物を運ぶのが大変だったので、自動で運べたら便利かなと思いまして。」
「そうなんですね、それではまず、仕組みを紹介しますね。
まずはこちら。」
ドローンの上には、市販の送信機が固定されています。
このスティックをサーボモーターが動かすことで、自動操縦を実現しています。
GPSと高度計で現在位置を確認しながら、ラズベリーパイが飛行ルートを制御します。
そして、その下にはスマートフォンが取り付けられている。
「もしもの時に飛行ルートを確認できるように、タイムラインを残すためですね。」
美咲いわく、
「これを外すと動かないようにしてあります。」とのこと
そして動画は、田んぼを指定した通りに動作する映像へと切り替わっていく
白奈がいう
「面白いね!」
「そうだな」と私
そして動画はエンディングへ、
コメント欄には、
「いいなぁ」
「俺もほしい」
「飛ばせる場所が限定されてて何に使えるかわからない」
「唯ちゃんかわいい」
「美咲ちゃんもいいね」
「これ市販化してほしい」
「ラズパイで制御してるのか」
「サーボでリモコン動かす発想すごい」
「農家だけど普通に欲しい」
等々、いろいろな反応があった




