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黒音と白奈  作者: nakada
第6章
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57/78

57.後日談

「福野仁は、木村一美の元カレだった。

別れた理由は、現在の彼氏への浮気だそうだ

あの車は、福野が新車で買ったプレゼントだそうだ」


私は思わず眉を上げた。

「えらい高価なプレゼントですね」


「まぁ、それだけ深い愛情を注いでいたんだろう。

 それが裏切られた。

 ストーカー行為に走ったとしても、不思議じゃない。

 一方で、木村一美の方は完全に今の彼へ心変わりしていた。

 福野には嫌悪感すら抱いていたようだ。

 プレゼントされた車を見るたびに、福野のことを思い出して嫌だったそうだ。」


「最後のドライブと称して福野に運転させ、夜景を見に八尾の山へ向かったそうだ。

その帰り、一美は福野に『心中しましょう』と持ちかけた。

低血糖を起こして意識が朦朧としたら、二人で二メートル下の川に転落しようという話をしたそうだ。

福野のカバンから、常備されていた一週間分のピルケースを取り出させ、朝の分は福野が飲み、夜の分は自分が飲む……そう言ってな。

薬の効き目はすぐには出ないので、しばらく一美の案内で事件現場の農道へ向かわせ、道に対して直角になるよう車を止め福野の意識が朦朧とするまでくだらない話をしていたそうだ。

もちろん一美は薬なんて飲んじゃいない、ふりだけでうまくごまかしてた。

薬が効いて意識が朦朧としている福野の姿を確認すると、

彼女は助手席から右手でギアをドライブに入れ、福野のカバンを奪い取って車外へ降りた。

――それが、あの直角のタイヤ痕と、車内から財布や免許証が消えていた理由のすべてだ」


本田先輩は思い出したように続ける


「あと、X の投稿は、彼氏が行った。エンターを押してから、車で彼女を迎えに行っている」

そうだった、共犯者がいるんだ。プログラミングの知識がなくても、投稿する事自体は難しくなかったわけだ



本田先輩が帰ったあと、白奈は私に言った

「そんな事件を起こしておいて、YouTube であんな発言してるんだよ怖くない?」

「それが YouTuber って生き物なんだろ」

「だとしたら、美咲に YouTuber やめさせた方がよくない?」

「気にするな、美咲は美咲、変わらないから」

そんな話をしながら、私達は家路についた


(第六部 完)

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