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黒音と白奈  作者: nakada
第6章
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55/78

55.もしも他殺なら

寮に入って白奈と延長戦である


「福野仁が殺されたのなら、なぜ、木村一美の車の中なのか」


「一番可能性があるのは、証拠隠滅だろうね、

ただし、犯人が木村一美だったらだけどさ、

もし、他の車だったとして、木村一美の指紋なり髪の毛なり落ちていたら、

証拠になるよね、だけど自分の車なら指紋がついてて当たり前、

髪の毛落ちてて当たり前だもん」


「いやいや、自分の車を川に落とすのか?」


「盗難にあって、廃車になってるんだよ、保険おりるって」


「なるほど」


「まぁ、あくまで木村一美が犯人だったらね」


そりゃそうだ、


「じゃぁ、別の人が犯人の場合は?」


「木村一美に罪を着せたい人とかじゃない?

X の自動投稿を知っていれば、アリバイだって細工できそうだし」


「ただ、どうやって血糖降下剤を一週間分も飲ませる?」


「そこなのよ」


白奈は腕を組んだ。


「それが出来そうなのが、自殺か木村一美かその彼氏くらいしか思いつかないの」


「自殺はわかるけど、木村一美? 彼氏って動画編集を手伝ったっていう彼氏?」


「例えば、木村一美が助手席に乗っていて、

 心中しましょう、とか言って、

 木村一美も一緒に薬を飲む、と見せかけた

 福野仁も飲む、やがて低血糖になったのを見計らって

 ギアをドライブに入れて助手席からでる、とかさ」


「いや、無理があるだろ、話が飛躍しすぎて意味がわからない」


「そっか、ごめんごめん、私の中で勝手に元カレとかの設定にしてたわ

 元カレがストーカーってよく聞くから……

 ん、そういえば、ストーカーって言ってたけど、

 もともとは、どういう関係だったんだろう……」

「……そうだな、」


「じゃあ、木村一美の彼氏が犯人だったとして、どうやって飲ませる?」


「脅して薬を飲ませて死亡させた」

「……福野仁の性格が判らないから判断できないな」

と私は腕を組んだ。


「どっちにしろ、動画編集してたって話が嘘なら、彼氏は共犯だよね」


「可能性はあるけど、元カレ設定にしろ、脅されてたにしろ、

 福野仁がどういう人間か分からないから、否定も肯定もできない、

 全てただの想像でしかない。

 じゃあ、第三者が脅して飲ませた、という可能性をどうして省いた?」


「あー……」

白奈は頭を掻いた。

「木村一美の車が出てくる理由が思いつかなかったから」

「理由?」

「第三者が犯人なら、自分の車を使えばいいじゃん」

「なるほど」


すると、白奈は何かを思いついたように顔を上げた。

「ただ……誰が犯人かは、調べたらわかるかもしれない」


「えっ、」

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