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黒音と白奈  作者: nakada
第6章
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53.その後

後日、私は本田先輩に、木村一美が、YouTubeで暴露している内容を告げた、


電話越しだったが、頭を抱えているのがわかる


「内容筒抜けじゃないか」


「あと、白奈が、『ひょっとして睡眠薬とか飲まされていたりして』とか言って茶化してました。」


「白奈は相変わらずするどいな」

「えっ……?」


本田先輩の低い声に、私は思わずスマホを耳に押し当て直した。


「先輩、それって……」

「いや、聞くな、いや、もう遅いか、いいや、いつもの喫茶店で」

「わかりました。」

「わかっていると思うが」

「はい、内緒にしておきます。」



茶店の奥の席で、本田先輩は声を潜めて言った

「死体の男の名前は、福野仁。フリーターだ。

 彼は以前から糖尿病の治療を受けていてな。

 白奈が言っていた睡眠薬じゃない。

 解剖結果では、病院から処方されていた血糖降下剤を、数日分まとめて服用していたことが分かった。

 そのせいで重度の低血糖を起こしている。

 まともな判断や運転ができる状態じゃなかったはずだ」


それって、


「現状では、自殺の可能性が高いと見られている」


「えっ」


「薬は福野自身のものだし、車の運転席周りからは、持ち主の木村一美と福野の指紋しか見つかってない。

 ストーカー行為を注意されたことによる、歪んだ愛情のもつれ――という見方が強い。

 血糖降下剤の場合、いきなり気を失うなんてことはなく頭が朦朧とする時間がある、

その期間に、ギアをドライブにして目を閉じたのではないかということだ」


本田先輩はさらに続ける


「あと、死亡推定時刻は二十三時から零時ごろだ。

その時間帯、木村一美は自宅で彼氏と一緒に動画編集をしていた。

木村一美の自宅から、現場迄は四十分はかかる。

二十三時二十分ごろにはXへの投稿も確認されている。

念のため、発信元を調べたが、自宅のパソコンだった。

現状では、自殺と判断しても矛盾はない」


「でも…」

白奈が何か言いたげだ


「白奈、お前なぁ。

なんでもかんでも殺人事件にするのは、コナン君の見過ぎだぞ」


「ぶー……」


だが、白奈は納得していない顔のままだった。

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