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黒音と白奈  作者: nakada
第6章
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52/78

52.有名人

翌日、非番だった私は、白奈と美咲を誘っていつもの喫茶店に集まっていた。


「えっ、木村一美? ひょっとして一美チャンネルの木村一美かしら?」

「知ってるの?」

「富山の YouTuber よ、私と違ってチャンネル登録者数は2万人くらいいるわ」

「なら有名人じゃん!」

「会った事もあるわよ」

「えっ、なんで?」

「同じイベントに行くこと多いのよ」


「なるほどね」と私。

「まぁ、同姓同名の可能性もあるかもね」と美咲。

「いや、当たりだったみたいだよ、ほら」

白奈が早速検索して見せてきた『一美チャンネル』その、ページの最新の投稿欄には

『【悲報】私の車が川で横転』というクレーン車で持ち上げられるサムネが真っ先にあった


思わず動画を見る。動画の内容は

・数日前に車が無くなって、盗難届をだしていた

・昨日、川で転落しているって連絡がきた

・車を盗んだであろう運転手は死亡していた

・運転手の身元が分からないからって確認させられた、水死体を見るのは初めてで怖かった

・見たら、以前から私に付きまとっていたストーカーだった

・ストーカーに対しては、ちょうど警察に通報しようと思っていたが、まだ報告していなかった

・その人が、私の車に乗って川に転落した

・ショック~だった、とのこと

動画を最後まで見た限り、そんな内容だった。


事情聴取中は、誰に許可取ればよいのか分からなかったので動画を取ることは諦めたそうだが、

その後のクレーンでの車の引き上げ作業の動画や、車が修理工場に向かう動画を流しつつ、

説明やら、オーバーリアクションでの約30分にもわたる動画はとても丁寧に作られており、

これが昨日の今日で作られている事に正直びっくりした。


彼女の動画にあった情報に、私が現場で感じた違和感を重ね合わせる。

あの車は事故で川へ落ちたようには見えなかった。

もし男が殺されていたのだとしたら――。

おおよその経緯は見えてきたが、果たして、真相はどうなのだろうか。

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