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黒音と白奈  作者: nakada
第5章
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48/78

48.解決編.聞かれなかったので言ってない

「黒音、今、下取りって言った?」

「ああ。最初に会った時も、『下取り車があるならもっと安くできますよ』って言ってたけど」

「ひょっとして、その Ninja 1000 を売った時も下取り車があったんじゃない?」

「えっ。でも、タウンエースの中は空だったって……」

「それって納車前の話じゃない?

 納車した後の荷台までは確認したのかな」

「……確かに……あり得るか」



「えぇ、確かに下取りしましたよ、Honda CB400です」


若手刑事が聞き返した。

「なんで、そんな重要なことを黙ってたんですか?」

「え、いやだって聞かれなかったから」


老刑事がなだめる。

「まぁまぁ、此方のミスですすみません。

 それで、その時の走行距離とか分かります?」


「えぇ、下取りに出すってなった時に事前に調べてあります。

 もともと、異音がするので乗るのを止めて、代わりのバイクを探してます。

 と言ったら、どんな症状かやたら聞かれて、答えたら

 『大丈夫です下取りできます。』って言われて。」


客の男は、その時のやり取りのLINEを見せた

走行距離、下取りバイクの状況、バイクの写真等のやり取りが載っていた



取調室

「新潟で下取りした Honda CB400 の走行距離が下取り時の記録より約350km増えていた。

 長岡~富山の往復距離と一致する。」


「……」


「CB400のタイヤと、警察寮の駐車場に残っていたタイヤ痕。

 その特徴が一致した」


「……」


「下取りした CB400 を、タウンエース内にあらかじめ持っていた修理、交換部品で直し、

 そして富山へ向かい、警察寮で犯行に及んだ。

 その後、長岡へ戻ってきた。違うか?」


「……」


「ドラレコの映像をお前のバイク仲間に見せた。

 仲間は全員、お前だと言っている。

 そのライディングパンツも、そのグローブも、いつものお前だとな」


「あいつら!」

「認めるんだな」

「俺は悪くない! 被害なんて出てなかっただろうが!

 パンクなんて五分もあれば直る。

 そんなもん、被害と呼べるのかよ!」

「被害かどうかを決めるのはお前じゃない。

 器物損壊だけじゃ済まないぞ、

 虚偽申請の件で処分を受けた腹いせに、

 通報者と思われる相手を狙ったんだからな」


「くそっ!」


店長は机を叩いた。

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