47.ニンジャ
数日後、上司からその後の状況を聞いた
店長のやつ、かなり怒っているらしい
『自分は長岡にいた!
現場の監視カメラの映像は本当に俺なのか
顔も見えてないだろ!
俺の指紋でもでたのか!!』
と大激怒しているらしい
そういえば、と気になって、その夜――
白奈と寮のリビングでドライブレコーダーの映像を見返した。
映像の男はフルフェイスヘルメットを被っていた。
それでも、歩き方の癖や、少し突き出た腹の体格には見覚えがあった。
「やっぱり店長に見えるな……」
手にはライダーグローブ。
よく見ると、ズボンもプロテクター付きのライディングパンツに見える。
「ライダーグローブをしていたなら、指紋は出ない。だからあんなに強気なのかな」
「でも、これ、バイクに乗ってきましたって言ってるようなもんじゃない?」
翌日、
「証言の裏が取れたらしいぞ。
納車したのは間違いなく Ninja 1000 だったそうだ。
それと、浜巡査が気にしていたタウンエースの件だが、
車内には Ninja 1000 以外、幾つか段ボールが積まれただけで
他は何もなかったらしい」
◇
パンクを直したアルトで、白奈と一緒に美咲の家へ向かった。
道中、例のバイク屋の前を通りすぎた。
営業停止処分中で、シャッターが閉まっていた
「あの Ninja 1000 売れたんだ……。
店長は、まぁ調子がいいと言うか……
営業魂だけはあったから、おかしくは無いけどさ」
「でも、新潟に売れるってすごくない?
普通、県内で買うよね」
「中古車の場合、自分の欲しい車が、
自分の手が出る金額で出てるとなると、
隣の県だろうが関係なくチェックするさ
後は、サービスとかだろう、あの店長なら、
私にも、御新規契約値引きやら、下取り値引きやら言ってたし
配送もサービスしたんじゃないか?」
「ん……?」
「えっ、どうした?」




