表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒音と白奈  作者: nakada
第5章
PR
44/78

44.閑話.美咲

いつもの喫茶店で、私と白奈と美咲の3人でお祝いをしていた。

美咲には、私と白奈から、スペシャルプリンアラモードをご馳走することにした。


「美咲、チャンネル登録者数1000人達成おめでとう!!」


「待って、嬉しいけど、まだまだこれからだから」


美咲の本業は、フリーのプログラマーだ。

副業で始めたYouTubeチャンネルの、クリエイターとしての活躍はまだまだこれからであるが、

登録者数1000人という収益化の条件をクリアしたことで、晴れてYouTuberを名乗れるようになったのである。


ただ、なぜか一番バズったのは、この間撮影したサンと白奈の、警察犬訓練の動画だった。


ちなみに、動画内の白奈の顔は、半分がマスクに覆われているため、一見しただけでは誰だかよく分からないようになっている。

もちろん、撮影当時、事前に白奈の許可を取ってあるのだが……


「えー、私をオチにつかわないでよー」


やら、


「バズったのは私とサンのおかげでしょー? 私にもおごってよぉ」


やらと、白奈は隣でいろいろと騒いでいる。


「でも、こうなってくると、またサンを連れて訓練に行かないといけないよね」

私が言うと、白奈が不敵に笑って返してきた。


「えー。じゃあ、今度は黒音がサンの訓練担当ねぇ」


……動画のネタになるなら、仕方がないか。

「……はぁ、分かったわよ」



数日後、私たちは再びサンを連れて警察犬訓練のスクールを訪れた。


「では、今回も脚側行進から始めましょう」


私はサンと並んで歩く。

「あら、サンちゃん上手ね。これなら『遠隔停座えんかくていざ』のステップに行けるかもしれないわ」

「遠隔停座、ですか?」

「ええ。犬を座った状態で待たせて、指導手が少し離れた位置から指示を出したり、戻ってきたりする練習方法です。信頼関係が試されるんですよ」


その様子を見ていた白奈が、羨ましそうに声を上げた。

「えっ、ちょっと、ずるいずるい! 私もやるー!」


しかし、交代して白奈がリードを持った途端、サンはそっぽを向いてしまい、まるで言うことを聞かなくなってしまった。


「うぇ~、なんでぇ? サーン、お座り! お座りだってばぁ」


「ふふ、困っちゃいましたね。昔は『犬は家族の中で順位付けをする』なんて言われていましたが、最近の研究では、犬なりの好き嫌いの好みや、一緒にいて安心できる人かどうか、という基準で態度を変えると言われているんですよ」

「サン、おやつの時だけ私のところ来るじゃん!」

「それは安心じゃなくて食欲だ」

「先生! どうしたらサンが私を安心できる人って認めてくれますか!? 教えてください!」


必死な顔で先生に教えを乞う白奈の横顔を見ながら、

私は心の中で、普段のサンと白奈のやり取りを思い出した。

白奈はよく、エサを前に置いて「待て、待て、待て」と繰り返す。

なのに、なかなか「良し」を言わない。

その結果、サンは勝手に『白奈が三回「待て」と言ったら食べていい』と学習してしまったのだ。

サンの賢さと、白奈の少々雑な接し方を思い浮かべて、少しだけニヤリとしてしまうのだった。


後日、今回の白奈の動画で、登録者が 500人増えた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ