表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒音と白奈  作者: オレオレ!
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/23

4. 行きつけの喫茶店


あれから数日後。

私たちは行きつけの喫茶店で、ケーキセットを頼みながら本田先輩が来るのを待っていた。


「……あんた、本当に漢字は知らないし計算は間違えるし。どうやって警察学校を卒業できたのよ。

頭が悪い自覚があるなら、せめて机に向かって勉強しなさいよ」


「えー、言い方ひどいよぉ。勉強しなきゃって思うと、ペンが止まっちゃうんだもん」


「じゃあ、どうやって試験を通ったのよ」


「えっ、それは……。カンニングペーパー作って……あ、でも違うの! カンニングはしてないよ!」


「はあぁ!? あんた、カンニングペーパー作ってたの!? ふざけるな、それでも警官か!」


「黒音ちゃん、声が大きいわよ」


店のオーナーが苦笑しながらやって来た。


「はい、ケーキセット。黒音ちゃん、他のお客さんの迷惑になっちゃうから、ね?」


「オーナー……! オーナーからも叱ってやってくださいよ。こいつ、卒業試験でカンニングしてたって自白したんです」


「あら? 白奈ちゃん、カンニングはしてないって言わなかった?」


「そうだよぉ!」


「でもあり得ますか? なら、なんのためにカンニングペーパーなんて作るんですか」


オーナーはティーカップを置きながら、私を優しく諭すように言った。


「じゃあヒント。黒音ちゃん、あなたは試験前にどうやって勉強してる?」


「私は……一夜漬けですけど、やっぱり紙に書いて覚えるのが一番効率いいですから」


「うん。で、白奈ちゃんは勉強が苦手で、机に向かうのも嫌いなんだよね?」


「うん」


白奈が小さく頷く。


「じゃあ、カンニングペーパー作りは?」


「勉強じゃないもん。消しゴムのケースに入るくらいの小さい紙に、教科書の内容をぎゅうぎゅうに詰め込むの」


「黒音ちゃん。目的は違うけど、やってることはあなたと同じじゃない?」


「あ……」


「勉強が苦手でペンが進まない。行き詰まったなら、ちょっと考え方を変えてみる。

見方を変えるって大事なことよ。小さい用紙に書くことに集中してるから、

その用紙のどこに何を書いたか全部頭に入っちゃってるのよね?」


オーナーが白奈に微笑むと、白奈は胸を張った。


「そう、それ! だから本番では紙なんて見てないもん。カンニングはしてないよ!」


「でも、カンニングペーパーを作ってるだけだから、テストが終わったら覚えてないのよね」


「もー、いじわる。それを言ったらおわりじゃん」


オーナーと白奈が笑っている。


「でも、オーナー、よく分かりましたね」


白奈が言うと、オーナーは肩をすくめた。


「黒音ちゃん、わからない? オーナーもね、昔はカンニングペーパー作りの経験者だったのよ」


白奈がニヤリと笑って「ね、オーナー?」と振る。

オーナーも笑った。


「おいおい……」


私が頭を抱えていると、カランカラン、と喫茶店のドアが開いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ