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黒音と白奈  作者: nakada
第2章
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26.解決編・構造

しかし、白奈の目は大河さんを完全にロックオンしている。


「構造はどの部屋も同じはずだから、今から黒音の部屋で実験しましょう」


「なんで私の部屋なんだよ!」


「えっ、だって私の部屋は、ほら……浴衣とか荷物が散らかってるし。黒音の部屋の方が、タンスの上がきれいに片付けられてるでしょ?」


……つまり、自分の部屋をみんなに見せられないくらい散らかしているってことね。


私は溜息をつき、みんなを連れて私の部屋に移動した。

その途中、白奈がひょっこりと吉田さんを振り返った。


「あっ、吉田さんすみません。プラスドライバーがあれば貸していただけますか?」


「えっ? ああ、はい。確か勝手口横のタンスの引き出しに工具箱が……あったわ、どうぞ」


吉田さんが差し出してくれた工具箱から、白奈は手際よくドライバーを取り出すと、それを私に手渡した。


「じゃあ黒音、タンスの最上段の“天板”を固定してるL字金具のネジを外してみて」


「了解」

私は受け取ったドライバーを握り、天板を固定しているネジを外した。そっと木製の蓋を持ち上げると、暗い天井裏の空間が顔を出す。


「えーっと、ベニヤ板の四隅にネジ留めされているみたいだね、手前二つは外せるな… 」


私は、私はスマホのライトで暗がりを照らしながら手前の二つのネジを外した。


「よし、外した。でも、奥の二つを外すのは位置的に無理よ。完全に天井裏に這い上がらないとドライバーが届かないわ。この状態のまま、手前のベニヤを無理やり持ち上げて隣の部屋に行こうとしたら、さすがにガタガタと大きな音が鳴るわよ。大河さんがこれと同じことをやったとしたら、いくらヘッドホンをしていても、大樹さんに気づかれるんじゃない?」


「そうだね。でも考えてみて、こんな作り、明らかに素人のDIYだよ? タンスの天板を留めるのがL字金具だったり、ベニヤも四隅だけだったり。

もし山口さんが一人でDIYしたなら、自分が入ることもできない狭い『奥のネジ』を、どうやって後からネジ留めしたと思う?

──黒音、そのベニヤを手前に引いてみて」


「え……?」

言われた通り、私はネジの外れたベニヤ板を掴み、ぐっと手前に引いてみた。


──ズズッ。


軽い摩擦音を立てて、ベニヤ板が滑るように動いた。


「!!」


「反対側(奥側)はね、最初からネジ留めなんてされてないの。ベニヤ板の端を『Uの字』にカットして、あらかじめ打っておいたネジの頭に横から噛み込ませてあるだけ。

だから、押し入れから上に押すとたわむの。固定されてるんじゃなくて、“引っかかってるだけ”だからね。

手前のネジを二つ外して、板を手前に引くだけで――

ネジを緩める必要もなく、ベニヤ板ごとスライドして外れる。

その瞬間、隣の部屋へ通じる“横穴”ができるんだよ。」

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