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黒音と白奈  作者: nakada
第2章
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25/78

25.解決編・誤算

「ところが、映画が終わったあとで誤算が生じた。

黒音が『みんながいない間、二階でトイレの扉が閉まる音を聞いた。おじさんがトイレに起きただけだと思うけど』って言ったよね。

あの時、大河さん、あなたは一瞬ひどく焦った顔をした。


当然だよね。大河さんの計画では『吉田さんがここにいた時間(20時30分)に、既に山口さんが死んでいたこと』にしたかったんだもんね。そうすれば、最後に生存を確認した吉田さんに疑いがかかるから。

なのに、吉田さんが帰った『後』の時間に、山口さんが生きているような音がしたなんて証言されたら、吉田さんのアリバイが成立して計画が台無しになっちゃう。

だからあなたは昨夜、みんなが寝静まったあと、再び管理人室へ行って窓を開け、避難梯子をかけることで『吉田さんではなく、外部の第三者が侵入して逃げた』ように、急遽計画を変更してカモフラージュせざるを得なかったんだ。……どう? 違う?」


「……っ!」


「大河さん。山口さんは、あなたが友達を連れてきても『民宿の管理人として、お客様を最優先にする』って言っていたよね。

だから、自室にいても他人の迷惑にならないように、テレビを観るときもヘッドホンを付けている人なんじゃないかなって思ったの。黒音に確認したら、やっぱりそうだった。……なら、多少の物音がしてもおじさんには気づかれない。

あなたは、自分の部屋(201号室)のタンスから天井裏を通って、隣にある管理人室へ侵入したんだよ」


「ふざけるな!」

大河さんが狂ったように叫んだ。

「各部屋のタンスや押し入れの天井なんてベニヤ板で塞がれていて、上には上がれないようになってる! 開くはずがないだろ!」


「うん、知ってるよ

私、昨日部屋に入ったあと、自分の部屋の押し入れから、隣の部屋に行けないかなーって、ちょっと押し入れの天井を押してみたんだよね。そしたら、上に押すとぐにゃっと撓むの。隣の部屋には行けなかったんだけど、この作り、素人のDIYだなーって分かったんだ。」


これは、わたしも確認した… 、まさか夜這いを警戒してなんて言えないけど…

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