24.解決編・時系列
「な、何言ってるんだよ白奈ちゃん! どうして大河くんがそんなこと……!」
美咲が慌てて大河を庇うように前に出る。大河自身も顔をわなわなと震わせ、うろたえていた。
「何がだい、どうして、そうなるんだよ……っ!」
白奈は静かに、しかし一歩も引かずに語り始めた。
「まず、予め言っておくね。
私と黒音は犯人じゃない。昨日初めてここに来たんだから、山口さんを殺す動機も接点もない。
そして、それは美咲も同じ。そもそも、大河さんから美咲を旅行に誘ったんだから、
美咲が山口さんを殺すために近づいたっていうのも無理がある。
そうなると、犯人は、大河さん、吉田さん、縄梯子で逃げた第三者に絞られる…」
それから、白奈は時系列の話を始めた。
「大河さんが、21時に閉まるから早めにって言われて時計を見た時は、20時40分だった。
吉田さんが、食器を洗うのって手際よすぎるから、10分もかかってない、って事で、吉田さんが、2階の管理人室に食器を回収したのが20時30分前後。おそらく生きている山口さんを、最後に見たのが、その時の吉田さんであり、その時に『吉田さんが山口さんを殺した』事にしたい時間。
それから、美咲がパジャマから私服に着替えてスーパーに買い出しに出たのが20時45分くらい。
買い物は移動も含めて10分ぐらいだったので、20時55分頃、私たちは、帰り道で管理人室の明かりがついているのを見ているけど、その時に避難梯子は見ていない、つまり第三者がもしもいるのなら、その時まだ建物の中に潜伏していた事になる。
そして、私たちは着替えに部屋に入ったのが21時すぎ、大河さんだけ着替えるのに時間がかかっていたので21時5分ごろ。
私は、おそらくその時に山口さんを殺したとみている。
……現場を見てないけど、後の検視で死亡推定時刻が『20時30分~21時30分』って出たら、
大河さんの狙い通り、最後に生存を確認した吉田さんが一番怪しくなる。
と、ここまで計画していたんじゃない?」
大河は言葉を失い、額から大粒の汗を流し始める。




