4.装備とか
「よぉーし、しゅっぱーつ!」
威勢の良いかけ声と共に、だいちゃんの指示で私の足が動き出す。
しかし、ここで早くも問題が発生した。
「待って待って待って! あの、私……装備が……!
あれ、パジャマじゃない!?」
私の格好は、いつもの着慣れたTシャツにジーンズ、靴はスニーカーというラフなもの。
普段、だいちゃんを紙袋に忍ばせて大学へ行くときの格好そのままだ。
ボタンの目がこちらをじっと見つめる。
「ん? 装備って? ああ、加奈お姉ちゃんの服のこと?
大丈夫だよ! お姉ちゃんならきっと平気!」
「平気じゃないよ! スニーカーはまだしも、
Tシャツとジーンズなんて防御力ゼロ同然じゃない!
森の中でオオカミ退治するんでしょ? もし引っかかれたら……!」
想像しただけで背筋が寒くなる。生身で獣と戦うなんて自殺行為だ。
「あー……言われてみればそうだね。普段は仲間がいたから気にしたことなかったよ」
だいちゃんは考え込むように黒糸の髪(?)を揺らす。
「よし! だったらまずは防具屋に行こう!
僕もちょうど新しい帽子が欲しかったんだ!」
「なんで帽子なのよ!? 私に必要なのは剣と盾! あと鎧!」
「えー? 僕、足に剣とか盾っておかしいと思う……
まあいいや、加奈お姉ちゃんのために特別サービス! ついてきて!」
私はだいちゃんに引っ張られながら、防具屋へ向かうことになった。
◇
だいちゃんに引きずられるようにして防具屋へ到着した。
木造の簡素な建物だが、店内は意外と広く、壁一面に様々な武器や鎧が並んでいる。
店の奥では、店主らしき髭面の中年男性が退屈そうに頬杖をついていた。
「おや、だいちゃんじゃないか。また来たのかい?」
「こんにちはー! 今日は加奈お姉ちゃんの装備を見に来たんだ!」
「加奈お姉ちゃん? ……って誰だい?」
だいちゃんが、私を指さす(指はないけど)。
「なるほど、足の装備だな」
え?? なぜに???
ツッコミが追いつかない。
店主は金属製のブーツを何足か用意し始めた。




