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パペットだいちゃん  作者: オレオレ!
第1章

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2/9

2.だいちゃんの足

あまりの衝撃に、私は跳ねるようにして飛び起きた。


「はっ……はぁ、はぁ……」


視界に入るのは、見慣れた安アパートの天井。

どうやら、あまりの疲労で変な夢を見てしまったらしい。


「お風呂、入らなきゃ……」


シャワーを浴びながら、さっきの夢を反芻する。

いくらなんでも「足」って何よ。私は人間よ?

足扱いなんて、そんなフェティッシュな趣味はない。


けれど、風呂上がりにパジャマへ着替えながら、ふと思った。


「……続き、気になるかも」


あくまで明日のライブ配信のネタとしてだけど。


私は“もしかしたら見られるかも”くらいの気持ちで、

再び右手にだいちゃんを装着し、布団に潜り込んだ。



「もう、びっくりしたなぁ。急に叫び出すんだもん」


意識が切り替わった瞬間、そこは再び『ミクスの町』だった。

だいちゃんは相変わらず私の右腕に収まっているが、

その態度は妙に堂々としている。


(本当に、続きの世界に来ちゃった……)


どうやらこれは、ただの夢ではないらしい。

かつて読んだ本には「明晰夢では自分の思い通りに世界を変えられる」

なんて書いてあった気がする。


例えば、空を飛ぶとか!


(飛べ……飛べ、私……!)


……ダメだ、1ミリも浮かない。


そうこうしている間に、私の意志とは無関係に右腕が先行し、体が勝手に歩かされる。

やっぱり私は、だいちゃんの“足”でしかないらしい。


やがて、私たちは目的の果物屋に到着した。


「おばあさん、そのリンゴちょうだい。とりあえず二つね!」


だいちゃんがどこからか取り出したコインを払い、リンゴを受け取る。


「はい、加奈お姉ちゃん」


促されるままにリンゴを受け取り、かじる。……シャリッ。


「……っ! 美味しい……なにこれ、ものすごく甘い!」


夢の中なのに味がする。

この、甘い香りが鼻に抜ける感覚が、思い込みなわけがない。

でも……本当に美味しい。この世界って一体……。

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