表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【休載中】(初稿版)本能寺は止めない、だが光秀は死なせない 〜未来を知る将軍・足利義昭、戦国を動かす〜  作者: 細川 雅堂
第四章 歴史の軋み

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/37

第十九話 秀吉の恐怖

安土城。


秀吉は廊下を歩いていた。

そこへ家臣が駆け込んできた。


「秀吉様!」


息を切らした家臣が叫ぶ。


「京より返書が!」


秀吉は立ち止まり、書状を受け取った。


信長の“天下安寧”の文。

それに対し──将軍は“天下を乱す恐れあり”と返した。


政治の応酬。

戦のない戦。


(始まった……)


秀吉は息を呑んだ。


秀吉は書状を閉じ、空を見た。


(信長様は……革命の人や)

(将軍様は……政治の人や)


どちらも、ただの武家ではない。

ただの権力者でもない。


秀吉は笑った。


(どっちも……怪物やな)


だが、その笑みは軽くなかった。


秀吉は歩きながら考えた。


信長の速度。

義昭の構造。


片方だけでも国が揺れる。

二つがぶつかれば──


(戦国が……壊れる)


秀吉は背筋が冷えるのを感じた。


(恐ろしい。ほんまに……恐ろしいわ)


革命と政治。

速さと構造。


どちらも正しい。

どちらも強い。


だからこそ、ぶつかる。

そして──壊れる。


秀吉は立ち止まった。


(この戦いで……一番危ないのは誰や?)


信長でもない。

将軍でもない。


(光秀殿や)


(あの人は……危ない)


光秀は両方を理解してしまう。

理解は武器になる。


だが──毒にもなる。


秀吉は息を吐いた。


(光秀殿……巻き込まれたらあかんで、ほんまに)


秀吉は笑った。

軽い笑み。だが、目は笑っていない。


(わては……近づきすぎたらあかん)


信長にも。

将軍にも。


どちらも怪物。

どちらも国を動かす存在。


その間に立てば──潰される。


秀吉は空を見上げた。


(怪物が二人)

(戦国が揺れる)


秀吉は小さく笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ