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殺人の救世主  作者: おじさん
とある少女と殺人鬼の話
65/102

2-27

※陽視点


さて、俺が久々に殺人鬼だった日から既に2日が経ったわけですが…。


「よろしく、お願いします…ししょー」


手頃な木の棒を持った夏生が真剣な眼差しで俺を師匠と呼んでいた。


どうしてこんな状況になったのか。


時は少しだけ遡ります…


―――――――

――――

――


「ねぇ、陽」


「どうした夏生。そんな真剣な顔して」


歩き疲れたので、木陰で休憩をしているとやけに真剣な顔をした夏生が話しかけてきた。


「陽は、どうしてあんなに、強いの…?」


あぁ、この前から俺の戦闘見られっぱなしだからな。


特に一昨日のは酷かったな…ありゃ、二度と見せられんわ…。


思い返すと凄く恥ずかしい…。ああいう状況になるとどうしても楽しんでしまうんですよね…。


命と命のやり取りっていうのか、ああいうのに凄く興奮を覚えてしまう。


もう身体に染み付いているのだと思う。俺は人を斬りすぎてしまった。


とはいえ夏生まで危ない目に遭わせてしまったのは反省だ…。終いには偉そうに死ぬ覚悟が夏生にはあるとか言ってるし…。


もうあんな危険な目には遭わせない。そう誓った1日でした。


「どうしてと言われても…単純に死にたくなかったからかな」


強くなければ、この世の中は生きていけない。俺のような人間なら尚更だ。


俺は誰よりも死にたくなかった。だからこそ誰よりも人を殺してきた。


死なないためには強くならなければいけない。殺すためには剣の腕を上げないといけない。


多分そう思ったからこそ、俺はまだ生きて殺人鬼やっているのだろうなと思う。


「…私も、強くなりたいの」


「どうしてだ? 夏生は女の子なんだし、別に強くなる必要も…。」


「もう、守られるだけは、嫌なの…。だから、強くなれば陽の助けに、なるかなって…」


…一昨日の件を気にしてか。別にあれは俺の失態だから気にしなくてもいいのに。


「前も言ったけど、私に剣を教えてほしい…。もっと、陽の役に立ちたいから…」


夏生の目は、寸分も迷いが感じられない。


この娘は本気だ。本気で強くなりたいと願っている。


なら、俺もそれに本気で答えなくてはならない。


「…分かった。だけど一つだけ約束してくれ」


「…約束…。絶対守る…」


前々から決めていたものだ。もし、夏生に剣を教えるなら必ずこの約束だけは守らせると…。

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