2-19
結局、色々な話をして時間を潰した。
陽の刀の話とか、昔行った場所の話とか…。
特に刀の話は、とても興味深かった。
ようとう?ってのはよく分からなかったけど、とにかく凄いのは分かった。
10年近く使ってるけど一度も変えたことが無いらしい。
たかが1ヶ月と少しの付き合いの私としては羨ましいことこの上なかった。
でも陽が言うには、付き合いの長さなんて関係無いらしい。
別に1日の付き合いでも、一生物だったりすると彼は言っていた。
それを聞いて、私もそうだと思った。陽との時間は私の人生からしたらまだまだ短い期間だけど、きっと一番価値がある。
陽も同じことを思ってたら嬉しいな。
途中で私の話もしようかなと思ったが、考えてみれば何も面白い話などなかった。
「結構時間経ったんだがな…。まだか、あのおっさんは」
「…お待たせして申し訳ありません! 段取りに少し時間がかかってしまいまして…」
噂をすればなんとやら…って、まさにこういうことを言うのだろうか。陽が前にこんな感じで使ってた覚えがある。
えっと、おじさん…、そうだ思い出した。本城さんだ。
本城さんの顔を見て、陽は少し神妙な顔をしている。
…何か気になることでもあったのだろうか?
「別にいい。早く終わらせたいから、案内してくれ」
そう言うと、彼はまた手を私に差し伸べる。
それを私もすぐに握り返す。もうこの動作も慣れてしまったものだ。
基本的に動く時は陽と絶対に手を繋いでいるか、私が陽の着物袖を掴む形になる。
こうしてると、とても安心できるのだ。それに気のせいか疲れもあまり感じない。
ただ歩くより安心できるのは、きっと彼の体温を直に感じられるからだと思う。
「…やっぱり幼女趣味なんですね」
「…放っとけ。夏生は特別だ」
幼女趣味とは一体何だろうか?
まぁ、特別と言われて嬉しいので別に気にしなくてもいいだろう。




