2-18
※夏生視点
…度々思うことがあるのだが、どうして彼はいつも私より早く起きているのだろうか。
私だって結構早起きなつもりだ。なのに、私が起きると必ず彼が出迎えてくれる。
「おはよう、夏生。よく眠れたか?」
「おは、よう…。お陰様で…」
きっと彼は私が寝ている間ずっと守っていてくれているのだろう。
身体は大丈夫だろうか。あんまり眠れていないんじゃ…。
しかし彼に疲労の色は見えない。むしろ元気さすら感じる。
「陽は、いつも早起きだね…。体調とか、大丈夫…?」
「あぁ、全く問題無いぞ。酷いときなんて3日寝れなかったりするからな…」
殺人鬼故の気苦労だろうか…。常人では到底なし得ないことを簡単に言ってのける。
私のせいで彼に迷惑かけてるのではないかと思ったけど、どうやらそれは杞憂のようだった。
まだ、日が昇ってからそんなに時間が経っていない。
鳥の声と、朝日がとても心地よい。陽と会わなければ分からなかったことだ。
「さて、今日は取り敢えずここで待機だな。下手に動くのもあれだし」
「あのおじさんが、来るまで暇になっちゃう、ね…」
「確かに。夏生は何かしたいことはないか?」
何かしたいことと言われても、あんまりよく分からない。
そもそも今まで何もしてこなかったのだ。
何が楽しくて、何が役に立つのか全然分からない。
…そういえば、一昨日初めて彼が刀を使って人を斬るのを見たな。
人を斬っているのにも関わらず、どうしてか非常に美しかった。
あれが私にも出来たら…。
「刀を、教えてほしい…かな」
「刀?剣術か?…夏生にはちょっと早い気がするぞ」
「陽が、やってるのとても綺麗だった、から…」
「あれを綺麗というか…。夏生も物好きだな…。…取り敢えず、それに関してはまた今度だな」
「むぅ…。私も、出来るようになりたい…」
単純に陽みたいになりたかった。人を殺したいとかじゃなくて。
少しでも、彼に近づきたかったのだ。




