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殺人の救世主  作者: おじさん
とある少女と殺人鬼の話
56/102

2-18

※夏生視点


…度々思うことがあるのだが、どうして彼はいつも私より早く起きているのだろうか。


私だって結構早起きなつもりだ。なのに、私が起きると必ず彼が出迎えてくれる。


「おはよう、夏生。よく眠れたか?」


「おは、よう…。お陰様で…」


きっと彼は私が寝ている間ずっと守っていてくれているのだろう。


身体は大丈夫だろうか。あんまり眠れていないんじゃ…。


しかし彼に疲労の色は見えない。むしろ元気さすら感じる。


「陽は、いつも早起きだね…。体調とか、大丈夫…?」


「あぁ、全く問題無いぞ。酷いときなんて3日寝れなかったりするからな…」


殺人鬼故の気苦労だろうか…。常人では到底なし得ないことを簡単に言ってのける。


私のせいで彼に迷惑かけてるのではないかと思ったけど、どうやらそれは杞憂のようだった。


まだ、日が昇ってからそんなに時間が経っていない。


鳥の声と、朝日がとても心地よい。陽と会わなければ分からなかったことだ。


「さて、今日は取り敢えずここで待機だな。下手に動くのもあれだし」


「あのおじさんが、来るまで暇になっちゃう、ね…」


「確かに。夏生は何かしたいことはないか?」


何かしたいことと言われても、あんまりよく分からない。


そもそも今まで何もしてこなかったのだ。


何が楽しくて、何が役に立つのか全然分からない。


…そういえば、一昨日初めて彼が刀を使って人を斬るのを見たな。


人を斬っているのにも関わらず、どうしてか非常に美しかった。


あれが私にも出来たら…。


「刀を、教えてほしい…かな」


「刀?剣術か?…夏生にはちょっと早い気がするぞ」


「陽が、やってるのとても綺麗だった、から…」


「あれを綺麗というか…。夏生も物好きだな…。…取り敢えず、それに関してはまた今度だな」


「むぅ…。私も、出来るようになりたい…」


単純に陽みたいになりたかった。人を殺したいとかじゃなくて。


少しでも、彼に近づきたかったのだ。

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