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※夏生視点
夜は嫌いだった。いつも一人だったから。
でも、今は嫌いじゃない。一緒にいてくれる人がいるから。
多分もうすぐ戻ってくると思うが、やっぱりちょっとだけ不安もある。
村の外で一人で座ってると、人影が一つ唐突に現れた。
小柄な影だ。私と同じくらいの。
顔を上げてみると、そこには
「…お前ら、何やってるんだ…?」
「…勘太郎、君…」
先程知り合った少年、勘太郎君がいた。
村長さんの家で会話をしたのはこの為か。
わざと勘太郎君に気付かせるために。
「陽のあの格好…あの格好って…」
「…うん。想像通り、だと思う…」
ボロボロの黒の着物。片目の傷。後ろで縛った髪。
誰もが知ってるそんな人物。
『人斬りシンゾウ』その人だ。
「嘘だろ…? ならどうしてお前はあいつに着いていってるんだ…?」
陽に着いていっている理由?
そんなの昼間に大きな声で言ったと思うけど。
「陽は、私の恩人なの。後、陽と一緒にいると、落ち着くから」
「それだけ…なのか? 脅されてるとかじゃ…」
「む…。信じられないのも、仕方ないけど…それは有り得ない」
勘太郎君の目を真っ直ぐに見て、はっきり言う。
嘘偽りが無いと分かってもらうために。
そんなの全く無い。私は私の意思で彼に着いていっている。
それをしっかりと伝えたかった。
「何…でだよ。人殺しには変わりないだろ…?」
「…? 何か、問題…ある?」
「俺は!! 両親を殺されてるんだぞ!? それなのに人殺しを信じろなんて…!!」
「おいおい、どうして俺の悪口言われてんの?せっかく戻ってきたのに…」
勘太郎君が激昂した直後、見慣れた人間が戻ってきた。
返り血を全身に浴びた、そんな姿だけど。
『陽』がちゃんと帰ってきた。




