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斬る。斬って斬って、また斬る。
血が飛び散る。月明かりに照らされた真っ赤な血が辺りに付着する。
久々だ、多対一での殺し合いは。
第三者からしたら一方的な虐殺にしか見えないと思うが。
「ふぃー。後何人残ってる?」
斬った感触だと残りは2桁いないだろう。
刀に付着した血を撒き散らし、辺りを見渡す。
あっ、残りは3人しかいないみたいだ。
逃げた人間はいない。だって始まってから30秒も経っていないのだから。
逃げる?そんな時間、与える訳ないだろう。
「ひ、ひぃ!! 助けてくれ!! 何でもする!!」
残った3人による全力の命乞いが始まる。
懸命な判断だ。逃げても無駄だということがよく分かってる。
ただ、こんな光景見飽きちまったよ。
「命乞い? 違う違う。俺が見たいのはそんなんじゃないよ」
「な、ならどうすればいい!!? 金ならある!! 食糧もだ!!」
おぉ、魅力的な提案だな。これから旅を続ける上では必ず必要となってくるものだ。
でも、それは旅を続ける上での話であって。
『今』俺が欲しいのはそんなゴミ同然の物なんかじゃないよ。
「そうだな。もう終わりにするか」
「ほ、本当か!? じゃあ…」
「…俺が見たいのは、『死体』だよ。お前らのな」
お頭さんの口から発せられる言葉はそこで途切れた。
言うまでもないが、俺が首を斬ったからである。
29人…だったかな。なかなか楽しかったよ。
これでしばらくは殺人衝動も抑えられるだろう。
それにしても、この三日間で殺した人数が40越えるとは思わなかったわ。
夏生のいた村の賊も皆殺しにしちゃったしね。
「さって、戻るか。夏生待ってるし」
刀についた血と顔についた返り血を拭って、帰る準備をする。
服のはもう仕方ない。明日洗うことにしよう。
勿論死体は放置。誰かが見つけて処理してくれることを願おうか。
「…さっきの姿は夏生には見せられんなぁ。絶対に」
数分前までの自分を思い返し、俺は固く誓うのであった。




