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殺人の救世主  作者: おじさん
とある殺人鬼と少女の話
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1-34

斬る。斬って斬って、また斬る。


血が飛び散る。月明かりに照らされた真っ赤な血が辺りに付着する。


久々だ、多対一での殺し合いは。


第三者からしたら一方的な虐殺にしか見えないと思うが。


「ふぃー。後何人残ってる?」


斬った感触だと残りは2桁いないだろう。


刀に付着した血を撒き散らし、辺りを見渡す。


あっ、残りは3人しかいないみたいだ。


逃げた人間はいない。だって始まってから30秒も経っていないのだから。


逃げる?そんな時間、与える訳ないだろう。


「ひ、ひぃ!! 助けてくれ!! 何でもする!!」


残った3人による全力の命乞いが始まる。


懸命な判断だ。逃げても無駄だということがよく分かってる。


ただ、こんな光景見飽きちまったよ。


「命乞い? 違う違う。俺が見たいのはそんなんじゃないよ」


「な、ならどうすればいい!!? 金ならある!! 食糧もだ!!」


おぉ、魅力的な提案だな。これから旅を続ける上では必ず必要となってくるものだ。


でも、それは旅を続ける上での話であって。


『今』俺が欲しいのはそんなゴミ同然の物なんかじゃないよ。


「そうだな。もう終わりにするか」


「ほ、本当か!? じゃあ…」


「…俺が見たいのは、『死体』だよ。お前らのな」


お頭さんの口から発せられる言葉はそこで途切れた。


言うまでもないが、俺が首を斬ったからである。


29人…だったかな。なかなか楽しかったよ。


これでしばらくは殺人衝動も抑えられるだろう。


それにしても、この三日間で殺した人数が40越えるとは思わなかったわ。


夏生のいた村の賊も皆殺しにしちゃったしね。


「さって、戻るか。夏生待ってるし」


刀についた血と顔についた返り血を拭って、帰る準備をする。


服のはもう仕方ない。明日洗うことにしよう。


勿論死体は放置。誰かが見つけて処理してくれることを願おうか。


「…さっきの姿は夏生には見せられんなぁ。絶対に」


数分前までの自分を思い返し、俺は固く誓うのであった。

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