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…さて、と。
「全部で30弱、ってとこか。もっといると思ったんだがな」
「ば、化け物が…!! 一気に5人も殺られるなんて…!!」
ん?前に突っ立ってた邪魔な奴の首を斬り落としただけだが?
化け物だなんて…こんなのまだまだ序の口なんだけど…。
「お、お頭!! こいつ、『あの』…!!」
「死神のような黒い着物…片目の傷…。手慣れた殺人…。…間違いない、『人斬りシンゾウ』だ」
山賊の頭らしき人間の言葉に全員がざわめく。
おいおい、どうしてそんなに驚くことがある。
お前らのお仲間さんは俺の首を狙ってたぜ?報告する前に死んでしまったが。
「…今は別のもっといい名前があるんだけどな。さて、死にたい奴から前に来なよ」
俺の問いかけに応じる人間はいない。
そりゃ当然だ。人間誰しも死にたくないと思ってるのだから。
…俺もその内の一人だ。
来ないのならこっちから行く。どうせ奴らは悪人。死んだって誰も困りゃしない。
俺が一歩踏み出した瞬間に、7人程が一気に襲いかかってきた。
なるほど、時間稼ぎか。大方後ろのお頭さんの指示だろう。
さっきは5人一気に殺されたから今度は7人で。
…逃がす訳ないだろ。
面倒だから、全力で。瞬殺させてもらう。
幸いにも捨て駒達は全員が固まってる。最初から相討ち覚悟。表情が物語っている。
「…7匹、と」
僅か二太刀で、数秒で7人を斬って捨てる。
…堪らない。最高の感触。気分が高揚してくる。
悲鳴さえあげさせない。恨むならそんなになってしまった自分達を恨みな。
「嘘だろ!? 人間技じゃない!!!」
逃げる隙さえ与えてもらえなかった、お頭さんは叫ぶ。
村から結構離れてるし、聞こえる心配もないだろう。別に聞こえてもいいけど。
「?? 人間だと思ってたのか?」
そんなお頭さんの台詞に俺は疑問符を浮かべる。
数える限り、残り17人。そいつら全員に向けて走り出す。
「言っただろ。殺人『鬼』、だって」




