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「…さて、そろそろ夜も更けてきたし寝るか」
「賛、成…」
飯も食い終わり、軽く雑談していて気付かなかったが既に夜中へと突入しようとしている。
先程まで低かった月の位置が高くなり、深夜が近付いているのが見てとれた。
「…明日もここにいろよ。聞きたいことまだたくさんある」
「昼とはえらい違いだな、勘太郎よ。だが、それは無理だ」
嬉しい誘いだが、きっぱりと断っておく。
「…どうしてだ?」
「そうだな…。朝になれば分かるかもな」
意味深な発言を残し、分け与えてもらった部屋に夏生と入る。
出来れば俺もここにいたいのは本音だが…。
どうにも悪人は悪人を呼ぶらしい。
後数刻も経てば、村人が全員寝静まった頃には。
…楽しみで仕方ない。心が踊り出しそうだ。
「陽、悪い顔、してる…」
「仕方ないだろ。…今まで我慢してたんだから」
とはいえ夏生の教育上あまりよろしくないな。
取り敢えず今は寝る体勢をとっておく。
「それにしても…いい村だったな。この服を着た価値があったってもんだ」
「うん。村の人達、皆いい人だった。…だから、陽…」
「分かってるよ。あくまでついでだぞ。俺の目的は別にある」
「…それで、良し。お休み…なさい…」
昨日寝た場所より数倍はいいであろう寝床で寝息をたて始める夏生。
今日は色々なことがあって疲れたと思うから、今はゆっくり休んでくれ。
そして俺の身勝手で申し訳ないが、その後は俺に付き合ってくれ。
こんな俺の隣でも幸せそうに眠る夏生を見て、俺はそんなことを考えていた。




