1-25
「…美味、しい…。今までで、一番…」
おぉ…米がある…。
しかも味噌汁に焼き魚まで…。
更に漬物付き…だと…!?
「いやぁ、本当にありがとうございます。こんなに豪華な食事をしたのはいつぶりだったか…」
本当にいつぶりだろう。旅をし始めてから初めてな気がする。
いつも非常食みたいな食べ物ばっかだったな…。
時々魚取って焼いたりしてたけど、やっぱりちゃんと調理してあるのは全然違うな。
「いえ、客人をもてなすのは当然のこと。しかも子供連れですからな。ゆっくり味わってくだされ」
「あり、がと…村長さん」
「構わんよ、夏生ちゃん!! なんならここに住んでもいいんだよ!!??」
「おい、爺さん。あんたも変態だったのか。怖い世の中だな」
ここの村、変態多すぎだろ…。この村の少女達が心配になるな…。
「……何でこいつらが俺の家で飯食ってるんだよ。皆、怖くないのかよ…」
因みに勘太郎も一緒に食っている。まぁ、孫らしいし当然っちゃ当然か。
文句を言いながらも一緒に食べているということは、先程の夏生の言葉が少し効いているのだろうか。
『信じるのは無理でも、疑うのは止めてほしい。』
実に夏生らしい言葉だ。俺なんかを信頼してくれる夏生が言うから説得力がある。
あれだけ真っ直ぐ見つめられて言われたら折れざるを得ないわな。
「あー、明日には出てくから我慢してくれ。それにしても美味いな、本当に。」
あえて気軽に接する。過去の傷なんか触れられたくないだろうから。
「……? どうしたの、陽?」
「…いや、何でもない。気にするな」
つい、夏生の方を見てしまった。無意識に俺は気になっているのだろうか。
不思議そうな顔をしている夏生を見て、俺はそんなことを考えていた。




