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「…なぁ、お前ら何で旅してるんだ?」
唐突に告げられた質問に一瞬思考が止まる。
自分に向けられた質問だと理解し、返答を考える。
何でって…本当のこと言うわけにもいかないしな。
うーん、何て言ったら納得してもらえるだろうか。
「お前ら、じゃなくて陽と夏生だ。ちゃんと覚えておけ。どうしてそんな事聞くんだ?」
取り敢えず直ぐには返答しない。
俺達を警戒している相手に下手な返答をすると面倒なことになる。
質問に質問で返して悪いが、少し時間が必要だった。
「こんな時代のこんな時期に旅してるなんて、おかしいじゃないか。賊もいる、殺人鬼の噂もある。…陽と夏生はどうしてそんな危険を冒すんだ?」
どうやら、意外と素直な子らしい。ちゃんと名前呼びに変えてくれるとは意外だった。
ここで殺人鬼の名前を出す、ってことは俺達への警戒は薄れているようだな。
この質問も単なる興味だろう。自分の親を殺した賊とかもっと危険なのがいるかもしれないのに、どうして旅なんてしているのか。
確かに、今は危険な時代だ。いつ、誰が殺されたとしても何らおかしくはない。
勿論、俺が旅をしているのは殺人鬼だから。
その事実を伝えずに、全て本当のことを話す。
これが最良な策だと思う。
「簡単に説明すると、帰る場所なんて無いからだ。それは俺も夏生も一緒。旅を『してる』んじゃなくて、『しなきゃならない』んだ」
「…私は、陽の傍にいたいだけ。陽と一緒に、生きるの」
俺は理屈で説明し、夏生は感情で説明する。
これで納得いただけないなら参ってしまうな。
てか夏生さん、直球過ぎます。ちょっと嬉しくなっちゃうからやめてください。




