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「…気を悪くしないで下され。お嬢さんにも申し訳ないことをした」
「…別に、大丈夫」
悪気は無いのは分かってる。私も少し、冷静じゃなかった。
「極端な余所者嫌い…。…訳ありですね?」
「…勘太郎は両親を賊に殺されていましてな。それ以来、この村の人間以外は信用出来なくなってしまったんです」
「両親…ということは、貴方のお子さんも…?」
「いえ、身寄りのない勘太郎をワシが孫として引き取ったのです。勘太郎の両親は村ではとても有名な二人でした…」
心底悔しい、といった顔で語る村長さん。
だから、彼はあんなに怯えていたのか。
自分の両親を殺した賊を、余所者を憎み続けているのか。
「そうだったんですか…。それなら俺達が信用されないのも当然ですね」
陽の顔は、今まで見たことのない表情を醸し出していた。
同情…とは少し違う。哀れみを持っている訳でもない。
なんというか失望してるというか…呆れているというか…そんな感じに私は思えた。
「とはいえ、客人に対して失礼な態度をとらせてしまったのは事実。お詫びといってはなんですが、今日は泊まっていってくだされ。そろそろ日も落ちてくるようですし」
この村に着いたのはお昼過ぎ位だったから、結構な時間が経っている。
後一時間もすれば、夕暮れが見れることだろう。
「陽、どうする、の…?」
「…断る理由も特に無いしな。ご厚意に与るとしよう。夏生もゆっくり休みたいだろ?」
「正直、ありがたい…」
昨日から歩き通しなので、流石に疲労が溜まっている。
勘太郎君のことは少し気掛かりではあるが。
もしかしたらまた話す機会があるかもしれない。
その時は、ゆっくりと話を聞いてあげたいと思う。




