表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/24

山村殺人事件ー16

事件の重要人物を連れて事件現場で検証をしようとした道中。

突如の悲鳴と共に現れた巴の世話係の松田。

その松田は通路に死んだはずの菅原の亡霊を見たという。

菅原は「進めば呪われる」という言葉と共に消失。


「24時の鐘の音は点検しないとならないんですか?」


「いや、点検が無くても鳴る。あれは父様が珍しく大枚を叩いて買った特注品でちょっとやそっとじゃ壊れない」


実態ある亡霊の目的は鐘を鳴らさないことでは無い。

じゃあなぜ今になって亡霊として姿を現したのか、わざわざ俺たちが事件現場に向かう途中のこのタイミングで。

偶然ならそこまでだが意味を付けないとしっくりこない。


「皆さん、今晩は危険なのでここで一夜を明かしましょう。こんな状況で一人で寝れる人がいれば話は別ですけど」


その場にいる全員が案に賛成しこの場で夜を越すことに。

一呼吸置いて考えると自分の置かれている状況の理不尽さに納得がいかない。

なぜ一介の高校生の俺に殺人事件の探偵役でしかも死体が消えて幽霊が出る事件を捜査しなきゃならない。

まぁ俺よりも不憫なのは荒城あやせだけど、正直荒城がいなかったら発狂して外を駆けずり回っていた。

今は荒城を一刻も早く現世に戻すために動いているが、もう少しで止まりそう。

なんかめんどくさくなってきた。


「先生、あと5分で例の鐘の音が聞こえます」


隣に座っていた日笠が腕時計を確認。

この状況で大音が前触れもなくなっていたら死んでいたかもしれない、ありがとう日笠。

そして5分経過の後に響く鐘の音。

感覚的にいうと除夜の鐘が隣にあるような感じ、つまりうるさい。


「大きい音だったね」


隣の荒城は鳴り止んだ今でも耳を両手で塞いでいる。

確かに振動を感じるほど大きかった、これじゃ警備員が言っていた騒音という言葉も納得。


「先生、松田に付着している血痕は間違いなく血です。これが霊ではなく悪戯と言えるのでしょうか」


日笠は松田の頬に付着していた血をハンカチで拭いこちらに差し出す。

血か血糊ちのり判別は匂い、血特有の鉄を含んだ匂いがするかどうか。

嗅いでみても変色度合いからも本物の血で間違いないだろう。

確かに松田についている血の量みても人一人では致命傷になる血の量。


「日笠さん、それでも幽霊と盲目的に決めるのは危険ですよ」


「その根拠は」


「幽霊なら松田さんの前に現れる通りが無い」


「我々への警告という線はないのですか」


「であれば俺達の前に現れればいい、複数人の前に出れない理由があったと考えるべきです」


「その理由は」


「まだ分かりません」


「当主様に言うべきです、この件は不可解な点が多すぎると」


「匙を投げたら終わりですよ日笠さん」


「だったらこの状況を説明してくださいよ!!」


声を荒げる日笠に一同が鎮まる。

年上に怒鳴られるほど怖いものはない、だがこちらも譲れないことはある。

ここで匙を投げては現世に帰る術がなくなる、死に戻りなんて御免被る。


「日笠さん、取り乱す気持ちもわかりますがここは冷静に」


「……すみません」


菅原の死体が消える仕組みはわかっている、だがこの情報をここで出すのは少し得策ではない。

言うタイミングは犯人がどこまで手を伸ばしているかが判明したら。

襖を開けて警備員二人に提案。


「交代に睡眠をとりましょう、光はそのままで」


「俺たちは良いですよ、こっちで交代で見張りますので中の方々は全員おやすみください」


なんて良い人たちなんだ。

言葉に甘えてその夜は警備員に任せて各自睡眠をとる。

俺はその間怪しい影がないか目を細めて探っていたが収穫は無し。

次の朝それぞれ自室に戻り俺と荒城は屋敷周辺の森を散策し戻ってきた昼頃、奥安家一人娘巴の消息が不明となった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ