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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
10.最終日0時~6時:半死人の決心

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最終日1:46:33/日向町役場前/前田千尋

「コホ・・・・ゴボ・・カハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」


家の押し入れに恵美を隠して、私は家を出た。

いつ異形が来るかもわからない道端で、膝をつき、せき込むと、赤黒い血が口から吐き出された。


今日の異形は一度倒してしまえば時間経過で赤い霧と同化する。

完全に消滅するみたいだ。


今までに撃たれた場所、切られた場所、殴られた場所からは、私の体温が上がっていることもあるのだろうが、湯気が立ち、それらが赤い霧の一部となっていった。


決して私が異形になりかけているわけではないだろう。

絶対にそうではないはずだ。

血を流しすぎたとはいえ、私はまだ生きてる。


さっき鏡で見た、赤い霧が噴き出た姿はきっと幻覚に違いない。


「ふふ・・・・もう少し、も      う少しだからね       え み ・・・・・・」


私は徐々に感覚が鈍くなっている体に命令を出し、一歩一歩町役場まで歩み寄っている。

左手に持ったM1はもはや構える力もわかず、ブラリと下に下げられていた。


「あ・・・・・はは・・・・・」


あと少しで仕事が終わる。

妙な満足感と達成感を先に感じながら歩いている。


町役場の扉まであと少しに迫ったころ。

私の体に鈍い痛みが走り、一瞬宙に浮くと、私の体は地面にたたきつけられた。


「あ  ああ  あの 時の       」

「見つけ         た は やく     外に 連れてって           よ」


私は体中から血を流し、口からもう一度血を吐き出すと、すぐに起き上がり、振り向くといつか会った女が二人、そしてさっきまで生きていた男が一人、私に歩み寄ってきている。


私は首を傾げ、今までに作ったこともない笑みを浮かべると、傷だらけになったM1を構え、照準もまともに合わせず乱射した。


「アハハハハ・・・・・ハハ・・」


弾倉が空になるころには、目の前にいた3人は、原形を留めずに地面に血を流し倒れている。


「・・・・」


私は表情を歪めた笑みのままに固定して、M1を下ろさずに、最後に撃った状態で少し固まった。


周囲で、徐々に深くなっていく霧。

それらが私の傷口に入り込んで、焼けるような痛みを感じた。


私は空になった弾倉を捨て、新しいのをつけると、銃をブラリと下し、3人のもとに歩み寄る。

何を思ったか、私は女2人を役場の横の空き地まで引っ張り、男も引っ張ってきて空き地に転がすと、近くに落ちていた鉄パイプと木のぼっこを拾い集め、それを3人の心臓に突き刺した。


「もう・・・・・・・起きて・・・・・・・・・・・・来ないで・・・・・・・・・・・・・二度ね・・・・・・」


ブシャリと嫌な音とともに貫通し、その下の地面まで突き刺していく。

3人分、処置を終えると、私は満足げに高笑いして、町役場の中へと入っていった。

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