3日目19:22:44/トンネル/北原直人
「畜生・・・どうすりゃいいってんだよ」
俺は逃げ込んだトンネルの中で叫んだ。
一緒にいた彼とも、途中で逸れてしまっている。
今から引き返して探そうにも・・・・危険のほうが大きいのは明白だ。
俺は手に持った拳銃に目を向ける。
結局、彼女の家で弾薬を補充したが、まだ1発も撃っていない。
結局、彼も殺せずじまいだった。
「いーーー・・・たーー」
トンネルの中で途方に暮れた俺の背後から声がする。
赤い霧の奥に2人分の人影が見えた。
多野と桐原だ。
俺はすぐに2人に振り返って銃口を2人に向ける。
赤い霧の中にシルエットしか見えない。
片方に向けて一発銃弾を放つと、すぐに俺は駆け出した。
「くっ!」
トンネルの奥に抜けて、一番奥の建物に避難する。
迫ってくる人影に、もう数発銃弾を放つと、俺は家の扉にカギをかけた。
「き・・・たは・・らさん?・・・・大人しくしましょうよぉ・・・」
家の奥の部屋に入っていった俺は、背後から響く轟音と、目の前の扉を開けて出てきた人型の怪物を見て足を止める。
先に回り込んで、挟み撃ちする頭脳が残っていたとは驚きだ。
俺は拳銃を構えて、前にいる・・・多野に銃口を向けて引き金を引いた。
1発目を外し、2発目・・・あ・・・
次の弾を撃とうとして、俺は銃に起きた変化に気づく。
さっきまで動いていた部分が、動かない。
見ると、残りの弾がなくなっていた。
俺は背後からの衝撃に吹き飛ばされ、多野の前に転がる。
完全にどこかの骨が持っていかれた・・・
そして俺は眼前に迫る狂気的な瞳をした彼女を睨みつけた。
口元が震える。
ゆっくりと彼女の腕が俺の首に絡まると・・・それからすぐに何かが折れたような音とともに、俺の意識は闇に沈んでいった。




