3日目18:16:34/平元家/前田千尋
周囲の異形をすべて黙らせた後、私は家に入って体を休めていた。
「お姉ちゃん、これでいいの?」
私は彼女の声で我に返る。
彼女の声を聴かないと、段々と我を失ってしまう。
さっきだって、恵美に叩かれてようやく自我を戻したんだ。
私は、彼女の手にある消毒液の瓶を取ると、小さくニコリと笑った。
「ありがと」
そういって私は傷口という傷口に液を浸透させていく。
この家に何か治療に使えそうなものがあれば・・いいが。
「恵美・・・手を貸して」
私は、ふとあることに気が付き、彼女の手を借りて階段を下りていく。
目的は祖父の部屋。
さっき殺した神主も・・・死んだ町長も元軍人なら、祖父も元々陸軍の軍人だ。
そして、なぜか残っていた・・・国に返納されなかった歩兵銃や装備類・・・・
それがあるなら、きっと・・・
私はフラフラの体に鞭をうち、祖父の部屋を漁る。
すると、目的の品はすぐに出てきた。
目的の”医薬品”。
白い箱に赤い文字・・・黒い瓶に入った錠剤・・・全てそろっている。
2箱も出てきたのは意外だった。
1つの瓶を開けて、中の錠剤をいくつか飲み込む。
やりたくはないが・・・これ以上傷が増えるといよいよ私の体が持たないから・・・仕方がない。
2つともセーラー服のスカートのポケットに入れた。
「それは・・・?」
「知らない方がいい・・・恵美にはまだ早いもの」
私はそういうと、自分の部屋に戻る。
徐々に疲労が消えていき、痛みも感じなくなってきた。
私は最後に、もう数錠飲み込んで、ベッドに座り込む。
「お姉ちゃん?」
「・・・痛み止めを飲んだから、もう大丈夫・・」
私はそう言って、痛みを感じないボロボロの体で彼女を撫でた。




