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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
9.3日目12時~20時:消えない闇の過去

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3日目17:28:00/平元家前/北原直人

俺も彼も、腰が引けて立ち上がれない。


あの後、家に戻ってきた平元君と話しながら時間を潰していたが、家の周囲に異形が多いことを察知すると、俺らは2人で協力して脱出しようとのことで家を出た。


武器を持って、気持ちを震わせた俺らの前に・・・目の前に現れたのは、俺と共に、あるはずもない町を訪れたクルーだった。


多野正美と、桐原真由。

赤い霧を繕い、不健康なほどに真っ白い肌に、不気味な笑みを浮かべたその姿。


これまで見てきたどの怪物よりも見たくなかった姿に、思わず俺は後ずさった。


「・・・き・・た・・はら・・さん?どうして・・・そんな・・姿に?」

「さがし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・たんだよー」


彼女達はこれまでの怪物のように攻撃してこない。

ただただジワリジワリと、赤い霧を体の周囲に震わせながら迫ってきた。


「おい・・あんたの知り合いか?」

「あ、ああ・・・・見つからないと思ってたが」


俺も彼も、手に持った銃を撃たずに、不気味に近づいてくる2人をじっと見ている。

何もしてこないのもしてこないで、怖いったらなかった。


腰が抜けた俺らの背後から、2発の銃声が鳴り響く。


それは、迫ってくる2人を撃ち抜いた。

バタリと倒れる2人・・・だったもの。


俺らは振り返ると、今まで以上に驚いた。

横にいた彼は、あまりの光景に情けない声を上げる。


赤い霧を繕った、彼の従妹だ。

さっきから一緒にいた女の子の手を引いてこちらに歩いてくる。

フラフラと、時折女の子に支えられながらこちらに来る。


「おいおい・・・あれ死んでないのか?」

「わからない・・・千尋?」


目の前まで来た彼女達に、俺らは息をのむ。

女の子のしぐさ的に、まだ彼女は人間側なんだろう。


「ああ・・・大丈夫だよ。ようやく落ち着いた」


セーラー服姿の彼女は家の前の石壁に寄りかかるように座り込む。


「一体どうして・・・?」

「ちょっと色々とあってね・・・さっきようやく落ち着いたよ」


さっきよりも少し饒舌になった彼女は、そういうと何もない霧の向こうに銃を構えて引き金を引く。

直後、霧の奥から断末魔が聞こえた。


「この辺りには奴らが多い・・・今すぐ消えたほうがいい」


そういって彼女はまた引き金を引く。


「行って・・・さもなくば貴方達も撃つ」


俺と、彼は目を合わせる。


遠くから聞こえてきた奴らの声を聴くと、俺らは彼女から離れていった。


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