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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
9.3日目12時~20時:消えない闇の過去

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3日目14:47:22/向日葵畑/前田千尋

「ハハ・・・・彼も中々・・・」


私は痛みを訴え続ける体を無視しながら銃を構えた。


何とか血が止まり、役場にあった消毒薬で傷口を揉んでから、ガーゼで傷口を覆った。

痛みに叫んだが、そのおかげで何とかここまで回復している。


M1を構えて、痛む右腕で弾倉部分を掴み、物陰から身を乗り出して狙いをつけると、数発撃ちこむ。

そして、恵美の手をとって咲き誇る向日葵の中へと入っていった。


さっきのようには走れない。

もう無理な動きはできないが・・・それでも早歩きで彼女の手を引いて、私は小屋の中に入る。

さっき壊した神主のライフルが捨てられていた。

よく見ると、機関部を壊したわけではなく、ただ木製ストックの一部が抉れただけのようだ。


私は恵美を小屋の中の戸棚の中に隠す。

M1を彼女と共に隠すと、歩兵銃を取り上げて、ボルトを引いた。

一発が出てきて、さらにその中に4発。

私は出てきた一発を込めなおすと、ボルトを戻す。


「エミ・・・お姉ちゃん、今からちょっと出ていくから・・・・すぐに・・・戻ってくるから。ここで目を瞑って待ってるの・・・・・いい?・・・いい子にしてる・・・んだよ?」


私はフラフラと、小屋の扉の横に寄りかかりながら言うと、再び神経を尖らせる。

少しでも気を抜くと、倒れそうなのだが、何とか堪えているのが現状だ。

私は奥歯をかみしめて、周囲の音に耳を澄ませる。


「神主・・佐藤だっけ?・・・あの男もしつこいなぁ・・・・」


私は徐々に纏まらなくなってきた思考を口に出しながら、風の流れと音を読んだ。


持ち弾は5発。

なにも一発で仕留めることはないんだ。


そう言い聞かせると、私は扉を開けて外に出る。

飛び出していきたいが、今は無理。

走ると傷に響く。


私は歩きながら、向日葵畑の中に入っていった。

目を瞑って周囲の視界を探ると、同じように視界を探っていたであろう神主の視界が見える。


迷うことなく近くまで来ていた。


「アハハ!老いぼれ・・・さん。遊び相手   になってあげようか?」


私は視界から見えた光景を記憶して目を開ける。

赤い霧と、向日葵の茎のせいで視界が悪いが、私は38式歩兵銃を構えると、暗がりに、霧越しに見えた黒い影に向けて引き金を引いた。


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