3日目14:36:55/日向町ロータリー広場/多野正美
私は急に晴れた町に戸惑いながら、町の入り口のところまでやってきた。
さっきまでは霧に覆われたいた町も、今ではすっかり晴れ模様だ。
田舎町だけに、人の姿は見えないが・・・それでも長閑な光景が目に映る。
向日葵に覆われた花壇のところに立った私は、自分の目的を忘れたことに気づく。
でも何故か、ここに来なければいけない気がした。
なんでかは分からないが・・・・・・どうしてだっけか?
確か、取材か何かでここに来たんだと思う。
そして、その前に散策していた私たち一行ははぐれたんだ。きっと・・・
だから、ここに来たら誰かと会える気がしたんだ・・そうだろう。そのはずだ。
「ああーーーー!正美・・・・・・・さん!」
聞き覚えのある声に私は振り返る。
友人で、ニュースキャスターの真由だった。
私は彼女に手を振ると、彼女と合流した。
「ご・・・めんね・・・・・・・・急に見えな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くなって」
「いや・・・・・・・私こそ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
私たちはホッとすると、再び町の方を見た。
「いい・・・と・・・・・・・・・・ころあった?」
「う・・・・ん!」
私は彼女が笑顔で頷くのを見ると、思わず笑う。
「じゃ・・・・・・・・・・あ、そこ・・・に」
「わか・・・・・った」
2人でロータリーを抜けて、商店街に入っていく。
平成に居る私にとって、昭和のこの世界はどこか新鮮だった。
ん?・・・・・いや、なんでもない。
「あっちに・・・・・・・トンネルがある・・・の」
「へ・・・・ぇ」
「その・・・先・・・きれいだった」
私達は涼しげな潮風を感じながら、商店街を抜けていく。
たまには仕事から離れるのもいいだろう。
ずっと・・・この町に居てもいいかもしれない。




