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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
9.3日目12時~20時:消えない闇の過去

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3日目12:35:47/日向大衆食堂「いこい」/佐藤清志

「クソが!」


俺は動きが鈍くなった左腕を乱雑に振り回した。

食堂のテーブルの上にあったものが乱雑に床に落ちる。

平元の従妹・・・奴に一泡吹かせられ、さらに得物まで壊された。


その直後、小屋までノコノコとやってきた桜井を仕留めて何とか奴の銃を奪えたはいいが・・・

残弾はわずかに3発。

倒れた奴を探っても、予備弾薬は見つからない。

奴の家か・・・はたまた役場のどこかに予備弾薬が残っているのを願うのみだ。


どうするかを考えていると、交番の方から何かが崩れるような音と、銃声が聞こえた。


奴だ。

時間はそう経ってないから、遠くには行けないと思っていたが・・・


子連れなら尚更だ。

3発で仕留め切れるか・・・?


俺は手に持った桜井の小銃を持つと、食堂の扉を開けて銃を構えた。

丁度、眼鏡越しに傷を負った奴の姿が見える。

交番前の道を渡っている。

そしてこちらには気づいていないようだった。


俺は傷を負って安定しない構えに気を取られながら、引き金を引いた。

大口径のせいで、反動がキツイ。

おまけに眼鏡が狂っているせいか、奴の心臓を狙った銃弾は右肩を砕いて突き抜けた。


「く!」


俺は一度構えを解いてボルトを引く。

その中で、向こうから銃撃音が数発聞こえた。

向こうは霧が邪魔して俺を捉えられていない。

だが、俺の周囲を正確に弾が通り過ぎていく。


少し動きの鈍いボルトを戻すと、すぐに構えて奴を映し出す。

丁度、建物の角に入り込む寸前だった。


俺は歯を食いしばって引き金を引く。

今度はきっと腹を撃ち抜いたはずだ。


崩れるように建物の陰に消える奴を追いかけようとした俺の体は、不意に浮かび上がった。


・・・異形か・・・


食堂内に投げられて、痛みに顔を上げると、さっき倒したはずの桜井が奇声を上げながらこちらに来る。


「貴様!まだ邪魔するか!」


俺はすぐにボルトを操作すると、目の前に迫った奴の体に銃口を突き付けて引き金を引く。

派手な轟音とともに、奴の体は肉片をまき散らして仰け反り・・・そして倒れた。


俺は節々に痛みを発する体を起こすと、唾を吐く。

執拗に向かってくる此奴・・・桜井は考え物だが・・・あの娘は無事では済んでないだろう。

子供もどうせ奴がいなければ長くは生き延びれまい。


俺はフッと口元をニヤつかせると、血に濡れた食堂を後にした。



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