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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
9.3日目12時~20時:消えない闇の過去

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3日目12:19:33/交番/前田千尋

私は交番の中に入ると、恵美を交番の椅子に座らせる。

そして、周囲を警戒するために入口のほうまで戻ると、崩壊した扉の横の壁に寄りかかって、そのまま床に崩れ落ちるように座った。


「お姉ちゃん、血・・・拭かないの?」

「・・・?ああ、これくらい、すぐに止まるから・・」


私は片手で頬を拭う。

案外深くまで傷が入っているせいか、そこそこの量の血が流れていた。

一部セーラー服に血がついてしまっている。

どうせ、これはもう着れないだろうからどうでもいいが・・・・・・


それから数分、私も彼女も黙ったまま座り込んだ。


小休憩を繰り返してはいるとはいえ、ほとんど動きっぱなしだ。

私はまだいいが、小さな彼女にとって過酷なのは言うまでもない。


「恵美は大丈夫?まだ歩けそう?」


私は恵美に言った。

彼女は、コクリと頷く。


「うん・・・大丈夫」

「そっか・・・強いね恵美は・・・私よりもずっと」


私は床に置いた銃を取る。


「行こうか、ここもすぐに彼らがくるだろうから」


立ち上がると私は恵美のほうへと歩いていく。

すると、不意に恵美の顔が驚きと恐怖に変わる。


「お姉・・・!」


彼女の言葉を聞く間もなく、私の体は吹き飛ばされて彼女の前に倒れた。

背後からの衝撃は、どうやら交番の壁ごと吹き飛ばされたらしく、瓦礫となった壁の建材とともに私は倒れる。


「カハ!・・・・」


血を吐き出して、鈍い痛みを発する体を何とか半身だけ起こす。

腰のホルスターからハイパワーを取り出して霧と煙に巻かれた室内に向ける。


目を一瞬つぶって見ると、背の高い襲撃者は、私の目の前にいるらしい。

手から落ちたM1は、襲撃者の足元に転がっていた。


私はそれを確認すると、見えない中でハイパワーを連射する。

煙が晴れていくとその姿もようやく認知できる。

私は蛍光塗料が塗られた照準器を目標に向けて、ただただ引き金を引いた。


おぞましい悲鳴とともに、血しぶきが上がり、最後はどこか悲しげな断末魔とともに倒れる。

警官服に身を包み、おおよそ人間とは言えない姿と化した大男のような異形が私の目の前に倒れていた。


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