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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
8.3日目8時~12時:決心の揺らぎ

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3日目11:36:14/片岡家/前田千尋

私は恵美の家にいた。

たまたま、通りかかった道に異形が多く、道を変えた先が恵美の家の通りだったのだ。


さっき、彼女には私のすべてを話した。

それで気が楽になったとは言えないが、信じられない話を耳にしても、決し私を見る目が変わらなかったのは随分と心強い。

握られた手つきは、最初のころのすぐに解けそうなものから、随分と強固になったものだ。


私は恵美の部屋に座って周囲の異形が散って去っていくのを待つ。


「恵美、向日葵畑に行こうか?」

「え?」

「・・・浩司の居場所を探そうとも・・・邪魔が入る。まずはそっちから片したくってね」


私は軽くM1を点検し終えると、安全装置を解除した。


「邪魔・・・?」

「うん。私のことを撃った人からってこと」

「え・・・?お化けじゃないの?」

「まさか、生身の人間さ」


私は徐々に元の調子を取り戻していく。

横にいた恵美は私を見て、口を開いた。


「神社の神主。佐藤清志と北原とかいう可笑しな格好をしたカメラマン・・・彼らをどうにかしないと」


私はそう言って目を瞑る。

周囲の異形たちは何処かへ行った。

私は彼女の手を取って立ち上がる。

先ほどからずっと、傷口が痛むが、今はそんなことは関係ない。


「行こう・・・」


そう言って私達は彼女の家を後にする。

目的地は、港からほど近い向日葵畑だ。


「お姉ちゃん」

「何?」

「頑張ろうね!」


不意に見た恵美の笑顔に、私は思わず立ち止まる。


そして、私も少しだけ、不器用な笑顔を浮かべた。


「頑張ろう・・・そして恵美を生きて返すんだ」


そういって、銃を持った左手に力を籠めた。


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