3日目10:29:33/平元家/前田千尋
私は家に戻ると、弾薬補給を済ませた。
このままの調子で撃ち続ければ、恐らく今日1日持って・・・明日で尽きるであろう弾薬量。
私は最悪の事態になる前に彼を撃つことを心に決めたが・・・いざ彼を目の前にして撃てるかの自身は未だになかった。
血と汗と海水に濡れた服を脱いで、全裸になる。
もう一度傷口を消毒して、包帯を巻きなおした。
箪笥から下着を出して身に着ける。
服は・・・ワンピースも着れず・・・動きやすそうな服装は洗濯に出したままだ。
仕方がないので、部屋にかかっていた半袖のセーラー服を着る。
セーラー服の中には適当な鉄板を家から持ってきて、血に濡れたシャツを破った布で巻きつけた。
ホルスターは腰に引っ掛ける。
ハーネスを太ももに括り付け、そこにナイフやら弾倉を差し込んだ。
「これでいいかな・・・あと少しだし・・恵美は・・・大丈夫か」
私は彼女を見て言う。
彼女は私のようにボロボロではない。
「うん」
「じゃぁ行こう・・・終わらせるんだ・・・終わらせる・・・」
私は自分に言い聞かせるように言うと、M1を持って、余った手で彼女の手を引いた。
「お姉ちゃん、震えてるよ」
「・・・ハハ・・・・気のせい・・・気のせい」
「気のせいじゃないよ!」
恵美はそう言って私の手を引っ張る。
「あ・・・!」
私は、右手の傷に痛みが響き思わず声を上げる。
「一回休もうよ、お姉ちゃん」
「エミ・・・」
私は思わずしゃがみ込む。
彼女は心配そうに顔を見てくる彼女に負けると、廊下に座り込んだ。
恵美はさっきまでのように少し間を開けて座らずに、私に寄りかかるようにして座った。
「お姉ちゃん、ここに来る前に何があったの?」
「え?」
「不思議なの。鉄砲は持てないって学校で教えられたのに、お姉ちゃんは普通に持ってるでしょ?」
「・・・・」
「教えてよ。わたしのお姉ちゃんでしょ?」
私は、さっきとは明らかに違う彼女の言葉に驚いた。
怖がっていた目つきではなく、明らかに私のことを気遣ってくれているかのような表情。
私は、思わず彼女の頭を撫でると、ガックリと項垂れて口を開く。
「そうだね・・・それじゃあ、私の昔話をしようか」
消え入るような声でそう言った。




