3日目08:21:44/日向小中学校/桐原真由
私は学校の教室の隅で震えていた。
夢中で逃げてきたこの学校に来て、もう何時間経ったのだろうか?
さっき、一緒にいた正美さんの死が重くのしかかる。
心臓を撃ちぬかれ、止めに首元を撃ちぬかれた彼女は、首から上が転げ落ちて崩れた。
目の前で血を浴びた私は、その時点で我を失って駆け出した。
教会に行くはずだったのが、気が付くと学校の教室に籠っていたのだ。
私は隅で震えながら、彼女の血を被った服を見下ろす。
今はまだ丸腰。
次はきっと私の番だ。
そう思うと震えが止まらない。
さっきまでの、昨日までの威勢はどこへやら・・・だ。
とにかく教室の隅で、机や椅子を入り口においてバリケードにして震えている。
こんな時に、あの時の女の子がいればどれだけ心強いことか。
私はどこかで、彼女がここにきてくれるのではないか?という期待を抱いていた。
ただ、結局町を彷徨った時も会えずじまい。
考えたくはないが、幾多の銃声の中のどれかが彼女を殺してしまったのではないか?
そう考えると、尚更恐怖が増してきた。
静まり返った部屋に、私の心音だけが聞こえてくる。
バクバクと鳴り響く心臓を抑えながら、私はそっと窓の外を見た。
赤い霧が立ち込めるグラウンドには誰もいなかった。
その光景を見ていると、不意に私の体は持ち上げられて・・・
「え?」
そのまま外に放り出される。
教室には、1人の影が見えた。
「きゃぁぁぁぁぁ!」
受け身も取れずに落ちた私は、痛みを感じる間もなく周囲の異常に気付く。
セーラー服を着た女の子に、学ランの男の子、先生のような恰好をした人・・・
体を強打して声も出ない私が最後に見たのは、次々と私の周囲に集まる怪物の人影だった。




