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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
8.3日目8時~12時:決心の揺らぎ

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3日目08:01:36/日向神社/佐藤清志

俺は銃弾を摘出すると、椅子にふんぞり返った。

銃弾の後からは血が流れ落ち、錯覚なのか赤い霧が吹き出ているように見える。

痛みをこらえていたせいで顔には大粒の汗が滲んだ。


前田を仕留め損ねて、銃撃を食らってもう何時間が経っただろうか。

ようやく家にたどり着いた俺は、やっとの思いで応急処置を終えた。

血の染みたナイフを床に落として、荒れた呼吸をいなす。


「あの娘・・・今度は頭を吹き飛ばしてやる」


そうつぶやくと、椅子に預けた体を起こして、歩兵銃を持った。

そろそろ銃弾も少なくなってきている・・・

無駄撃ちはできない。


空になった銃のボルトを引き、クリップを突っ込む。

6.5ミリ弾を押し込めると、クリップを抜いてボルトを戻した。


もう一度部屋を探していると、さっきは見つからなかった銃剣が見つかったので、銃口部分に括り付ける。

元々長い銃がさらに長くなっているが、屋外で使う分には不便はない。


徐々に状況は厄介になっていく。

前田は見つけ次第でいいが・・・まずは平元だ。

俺は自分にそう言い聞かせて銃を担ぐ。


外に出ると、目をつぶって周囲の異形の視界を見て回る。

誰もこちらを見ていないことを確認すると、道脇を歩き始めた。


どこへ行こうかなんて考えていない。

ただ、ただ町を彷徨い探すだけだ。


ここまで来たら、もう彼らも考えながら探索しないはずだ。

狭い町なんだ、もう奴らも町を回り切ったに違いない。

ただ異形の少ない場所を歩くだけ。


赤い霧に、外灯の光が混ざり合って、不気味な色合いとなった町を当てもなく歩く。


遠くからはまだ銃声は聞こえてこない。


向こうも銃弾がそろそろきつい筈だ。


遠くで異形のざわめき声が聞こえる。

徐々に霧の中にシルエットが見えてきた。

俺は手に持った歩兵銃を持つと、銃口に取り付けた銃剣に目を落とす。

試すにはいい機会だ・・・


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