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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
7.3日目2時~6時:闇を行く者の末路

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3日目05:26:00/日向町公民館/前田千尋

何とか追っ手を巻いて逃げ込んだ公民館。


私はよろよろと歩いていたが、何かに躓いて転んだ。

先ほどから右足の痛みがいよいよ限界になってくる。

体育館の隅で、無様に地に伏せて、息を荒げていた。


それでも私は心配そうに覗き込んでくる恵美に手を振って強がってみせる。

這いずって壁に寄りかかると、上着から消毒液と包帯を取り出した。

液はまだあるが・・・包帯は・・・足に巻けるほど長くななかった。


私は傷口に液を掛けて、中に着た白いシャツを破って足首に巻きつける。

腹部が剥き出しになり、青く腫れた部分と、随分前に撃たれた跡が生々しく露出した。


「ふぅ・・・・暫く、ここで休もうか」

「・・・・大丈夫なの?」

「大丈夫大丈夫・・・・何があっても・・恵美には指一本触れさせない」


私は空になったM1の弾倉を付け替えてレシーバーを引いた。


「お姉ちゃん・・・段々おかしくなってるよ?」


ニヤリと口元を歪めた私を見ていた恵美が、表情を変えずに口を開く。


「え?」

「お姉ちゃんから赤いモヤモヤが出てる」

「・・・・・・本当だ」


恵美に言われて体をもう一度よく見ると、傷口から赤い霧が吹き出ていた。


「アハハ・・・心配ないさ・・・私は・・・エミを守るんだから・・・さ」


自分の体を見て、一瞬我を失いかけた私は、下手に誤魔化した。

右手で彼女の顔を撫でまわすと、不器用に笑う。


「信じて・・・もう少しの辛抱だから・・・・ね?」


私はそういうと、彼女を自分の側に引き寄せた。


「お姉ちゃん・・・」

「心配しないの。私の目が黒いうちは大丈夫だからね」


抱き寄せて、彼女の背中をさすりながら言い聞かせる。

まだ私は戦える。

徐々に右足も痛みが引いてきた。


私は彼女を離すと、表情を戻して立ち上がる。

少しよろめいたが、先ほどよりは右足も使える・・・

M1を持つと、深呼吸を一つ・・・


「行こう・・・」


そう言って、彼女の手を引いていった。


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