3日目04:20:29/水産加工場/多野正美
「どうしようか?」
私は赤い霧の中、道端に呆然と立ち尽くして真由に行った。
津波で少し壊れかけた建物は、さっきの地震で完全に崩れ落ちた。
私たちは、それを感覚的に察知できたので、難を逃れたが・・・行く当てがない。
加工場の事務所に隠れてから、外に出ていないので・・・外の変わり具合に驚いた。
先ほどまではただの廃墟の町だったのに、今は周囲の建物のいくつかが倒壊していた。
道も濡れて、津波の傷跡?のようなものが見える。
「行こう・・・とにかくどこかに隠れよう・・・」
真由も私も今は丸腰だ。
襲われたらひとたまりもない。
私は目をつぶって、周囲に誰もいないことを確認すると、歩き出した。
「どこへ行く?」
「協会・・・かなぁ・・・」
港を出て商店街に出る。
ここも、窓が割れて荒れ放題になった町が見えた。
さっきまでは・・・ただ放置されてただけのような廃墟だったのに。
物陰に隠れながら、時折近くにいる化け物をやり過ごしながら進んでいく。
私は半分涙目になって前を歩く彼女についていく。
倒壊し、地面にはガラス片が散乱している町を歩くのにも体力を使う。
音をたてないように足元に気を付け、そしてようやく商店街の終わりが見えてきた。
この町独特の、ロータリー式の道路・・・
真ん中の島のような花壇には向日葵が乱雑に咲き誇っていた。
私と真由は周囲を何度も何度も見まわして、道を渡る。
「教会に行ったらどうするの?」
「わからない・・・どうすればいいのか・・・」
そう言って、道を半分ほど過ぎたとき。
一発の銃声が鳴り響き、私は立ち止った。
目の前には目を見開いて絶叫する真由の姿が見える。
目の前の彼女に付いた血が誰の血なのかわからない・・・
私はとにかく彼女に手を伸ばした。
そしてもう一発。
その銃声とともに私の視界は真っ赤な闇に染まった。




