3日目02:59:46/日向小中学校/佐藤清志
「遅かったか」
俺は小中学校の教室の扉を開けてそうつぶやいた。
中にはセーラー服を着た異形がいたので、サッサと撃ち殺す。
中に入ってみると、空薬莢が数個転がっていた。
ここに平元の従妹・・・前田千尋がいたのは間違いない。
津波が来る前、この学校のグラウンドで、銃を向ける彼女と平元を見ていたが・・・
結局撃たずに、そして何故かこちらに気付くと撃ってきた。
裏切ったのだ。
結局平元討伐は女にはできぬ仕事だったというわけだ。
俺は始末する人間を1人増やし、とりあえず奴らの居た学校に乗り込んだ。
北原という男が一緒だったが、どこかに消えていた・・・どうせ大した問題ではない。
俺は教室内の薬莢をいくつか転がすと、教室を出る。
目をつぶって、周囲の視線を辿ると、どうやら異形たちがこの学校周辺に集結しだしている。
俺は銃構えなおすと、学校の裏口を目指す。
今奴らの相手をしている暇はないのだ。
俺は小走りで階段を降り、裏口の扉に手をかけた。
だが、扉を開くことはできず、何者かに肩をつかまれて引きずられる。
振り返ると、遠く・・廊下の奥に何人かの異形が見えた。
誰かに肩をつかまれているのに、背後に誰もいない・・・?
俺は不自然さからくる異常に顔を歪ませると、力任せに拘束を解き、結構な速さでこちらに向かってくる異形に銃口を向けた。
都合、ボルト操作を3回繰り返すと、体の周りにあった何者かの腕のようなものは地面に落ちる。
俺は背中を冷や汗で濡らしながら、扉を開けて外に出た。
2回目の大津波・・・1回目の津波の後、俺らに起きた変化を考えると・・・今度は奴らに変化が現れたと考えるのが妥当だ。
俺は奥歯を噛みしめながら、事態が厄介になっていくことに悪態をつく。
そして、学校の外の道を当てもなく歩き出した。
とにかく目標は平元を殺すこと・・・
その最中で前田が見つかれば、殺せばいいだけの話だ。
彼女には、少しだけ問いただしたいこともある・・・死ぬ間際になれば話だろう。
俺は霧に覆われた道を進む。
遠くに人影が見えた。
2つの人影だ・・・片方は背が低い・・・
俺はゆっくりと銃を構えると、十字線に映し出したものに向けて引き金を引いた。




