2日目18:05:03/教会/北原真人
「その・・・あの女の子って何であんな格好を?」
俺は教会の壁に寄りかかりながら、言った。
「知らん・・・そもそもあんな格好しているのを見たのは初めてだからな」
煙草を煙らせて・・・今は一旦休憩だ。
神主とともに来た教会・・・そこが、思い当たる最後の場所だったのだが・・・姿はなかった。
「普段は麦わら帽子を被って、涼しげな格好をしてたよ。見かけるといつも真顔だった」
ふと、図書館で別れた女の子の話題になる。
背丈こそ大人くらいあるが、線の細さを見る限り未だ10代半ば・・・平元君と同い年というのなら、まだ14か5だ。
そんな子が、黒ずくめの格好をして、ライフル銃を片手に町を歩いている。
「一緒じゃなかったのか?」
「いえ・・・ついていこうと思ったらフラれまして」
「・・・・まぁ誰かは見えんかったが・・・子供連れなんだ。長くは持つまい」
「でしょうね・・・この状況なら・・・・」
今こうして教会で雑談しているが、ここまで来るのはちょっと骨が折れた。
徐々に霧が深まるにつれて、奴らの行動が激しくなってきたのだ。
そのせいで何発かもらって、その傷を癒すために目的地の教会に逃げ込むようにして来たのだ。
「彼女の妹ですか?」
「いや・・・むしろ両親もいない」
会話をしながらも、俺らは互いに殴られ、切られた部分を抑えていた。
神主は足元、俺は腹部を切られている。
ジワリと血が滲むが・・・大した深さではない。
「ただ・・・あの年であの据わった目つき・・・只者ではないことはわかる」
「・・・本人に会ったらじっくり聞きたいものですが」
「そうだな・・・その時はこの光景が終わっているといいのだが」
そういうと、神主はライフル銃を担いだ。
「学校にでも顔を出すか・・・?」
「僕はわからないのでついてきますよ」
僕も彼に従って立ち上がる。
扉を開けると、さっきよりも深さを増した赤い霧が立ち込めていた。
「いよいよだな」




